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» 2013年12月13日 11時00分 UPDATE

あの書店のスタッフに直撃:電子書店の中の人 10回目――BOOK☆WALKERの中の人

いつもお世話になっている電子書店。電子書籍を購入しているこの端末の向こうにだってスタッフがいる。なかなか見えてこない「電子書店の中の人」にインタビューした。

[渡辺まりか,eBook USER]

 電子書店、または電子書籍ストア――実際に使っているかは脇に置くとしても、わたしたちはここ数年でその存在を少しずつ認知するようになった。

 とはいえ、書店と言えば、リアルの書店(実書店)を思い浮かべる方の方が圧倒的多数だろう。いつかは電子書店もそうしたものとして、今より身近なものになっていくのだろうが、現時点で、わたしたちは電子書店のことをまだよく知らない。しかし、そこにはリアルの書店と同様、「人」が介在している。

 この連載は、“電子書店の中の人”にフォーカスし、どんな人が電子書店の運営に携わっているのかを紹介しながら、その電子書店の“雰囲気”を感じてもらうためのものだ。

 第10回目は、電子書店BOOK☆WALKERの中の人・花田瑞穂さんに聞いた。

大人になってから、本の読み方が変わってきた

―― この12月に3周年を迎え、女性向けの4号館を新設したり、「10/1にKADOKAWAだけでフェアをしたのが好評だったので、3周年はKADOKAWA以外でとてつもないキャッシュバックすることにしたキャンペーン」という非常に長い名前のキャンペーンを実施したりと、いろいろな話題を提供してくれる、KADOKAWA直営の電子書店BOOK☆WALKERですが、花田さんはどのような立場で働いているんですか?

ブックウォーカー サービス企画部 花田瑞穂さん(以下花田) 今触れてくださいましたが、BOOK☆WALKERには1号館から4号館まであって、その中の文芸ジャンルとガールズジャンルの担当をしています。

 イチオシのタイトルやレーベルを出版社と一緒に決めて企画を考えたりして、押し出していく、という仕事をしています。例えば「有川浩フェア」とか「ルビー文庫フェア」などですね。

wmstaff010_1.jpg ブックウォーカー サービス企画部 花田瑞穂さん

―― 企画を考えるとなると、大変ですね。入社して戸惑ったこともあるのではないでしょうか。

花田 実は、仕事としての戸惑い、というのはなかったんですよ。仕事内容より、会社の雰囲気に戸惑いました。

―― 雰囲気ですか?

花田 はい、まずはオフィスが「シーン」としていて静かなことです。いままで賑やかなところにいたというのもありますし、わたしがおしゃべりだからでしょうか(笑)

 あとは、いままでのどの職場よりも、あっという間に時間が経っているということでしょうか。さっき出社したばかりなのに、もう午後6時になってる! と感じることがしばしばです。

―― それだけ仕事が多く、集中して取り組んでいらっしゃる、ということなんでしょうね。

花田 どうなんでしょうかね。そうとも限らないんですけど(笑)。

―― (笑)ところで、最近の花田さんイチオシの書籍というと何になりますか?

花田 それはもう『インフェルノ』です! 大人気シリーズですが、読んでいると映画でラングドン教授を演じたトム・ハンクスの姿が浮かんできます。

 それから、コミックの『本屋の森のあかり』という作品も大好きです。書店で働く”あかり”という女性が主人公なので、共感できるところがたくさんあるんです。好きなので皆さんにもぜひ読んでいただきたいですね。

―― これも電子書籍化されているんですね。社会人になってから興味をもつようになった分野はありますか。

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花田 「分野」と言えるかどうかは分かりませんが、社会人になってから「人」に興味を持つようになりました。10代など若いころは、「自分」にしか興味がなくて、物語も主人公を自分と置き換えて読んだりしていましたが、今では第三者的に読むようになりました。ヘルマン・ヘッセの『車輪の下』なども、若いころには分からなかったことが、今読むと分かります。

―― 確かに、若いころと年齢を重ねてからでは、同じ本でも読んだときの印象が変わってきますよね。その、子どものころに読んだ本についてお聞きしたいのですが、最も印象に残っている本はありますか。

花田 『大草原の小さな家』が印象深かった作品です。何もない草原に、自分たちで家を建て、暮らしていく、そういうフロンティア精神が好きでした。テレビドラマもあったのですが、ドラマよりも本で読むほうが好きでした。

―― というと、読書の好きなお子さんだったんですね。お仕事以外だとなかなか時間も取りづらいと思いますが、今ではどんなタイミングで読書を楽しんでいますか。

花田 お風呂とトイレですね。なのでどっちも長いです(笑)。

―― えっ! あの、これ、記事に書いてしまっても良いのでしょうか?

花田 構わないですよ(笑)。ちなみに、入浴中はNexus 7をジップロックに入れて“防水”しています。冷凍用の中サイズがちょうどいい大きさなので、ぜひ試してみてください。

―― 電子書籍だと、紙の本と違って“防水”すれば、ふにゃふにゃにならないところがいいですよね。それ以外で電子書籍のメリットは何だと感じていますか。

花田 わたしのこの端末には、今、800〜900タイトルも書籍が入っています。もしこれだけの紙の書籍を部屋に置いたら……と思うと、大変ですよね。なので、何と言っても場所を取らない、というのが一番のメリットだと感じています。

 実は、以前、姉妹で2人暮らしをしていたことがあり、そのときには四畳半を図書室にしていたんですよ。そう考えると、感慨深いですね。

 場所を取らないということの別のメリットとしては、人からお勧め作品を聞かれたときに「この本」とすぐに見せられることもありますね。聞かれるかどうか分からないのに、いつでもお勧め本を持ち歩くわけにいきませんし。

 それから、先ほど『インフェルノ』の話をしましたが、この作品の電子版には合本版があるんです。これがとても良いのですよ。

―― お得……とかですか?

花田 実は、同じシリーズの『ロスト・シンボル』が出たときに、まず『ロスト・シンボル(上)』を購入したんです。読み終わってから、よく確かめもせず『ロスト・シンボル(下)』を購入しました。読みながら、妙な違和感を覚えて、よくよく確認してみたら……『ロスト・シンボル(中)』があったんです。

 合本版なら、そういった間違いは起こりませんよね! しかも、電子版だからこそ、全部持ち歩いても重くなく、紙の書籍なら「そろそろ“上”を読み終わるから、“下”も持ち歩かないと……」と考え、荷物がさらに重くなるところ、そういう問題も起きません。

―― 思いもかけないメリットがあったんですね。最後の質問ですが、今後、仕事内で挑戦してみたいと思うことはありますか。

花田 あるんですが、ここで書いてしまうと真似されたら嫌なので一番したいことは秘密です(笑)。

 でも、リアルな本屋さんで仕掛けているようなことで電子書店はできないよね? って思われがちな企画、例えばヴィレッジヴァンガードのように本だけではなく、雑貨を一緒に並べてみたりなど、いろいろあると思うのですが、電子書店でもできるよ! ということを証明したいです。許されるならどんどんいろいろな企画を立てていきたいと思っています。

 リアルな書店では、どうしても物理的な場所に限定されてしまうと思うのですが、そういう縛りのないキャンペーンなども実施していきたいと考えています。

 キャンペーンといえば、今日から「オールカドカワ冬の大感謝祭」を開催しています。皆さまのお越しをお待ちしています。

―― 場所に限定されずにリアル書店で行っているような企画ですか。楽しみにしています。今日はお忙しいところありがとうございました。

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