出版業界で先週起こった出来事をまとめてお届けする週刊連載。12月第1週は、日販とトーハンが2013年年間ベストセラーの発表などがありました。
12月3日、ビッグワンは子会社を通じて、鴎文社とビブリの全株式を取得した。ビッグワンは栃木を中心にTSUTAYAやドトールコーヒーショップ、エクシオールカフェを運営。関連会社でもブックオフや外食フランチャイジー事業を営み、30店舗を展開。
栃木、東京、埼玉でTSUYATAを展開する鴎文社と、ブックオフとカフェ事業を展開するビブリの代表取締役を務めていた小山田昭仁氏から譲り受け、2社をビッグワングループの傘下に収めた。
同件は小山田氏とアドバイザー契約を結ぶ幻冬舎総合財産コンサルティング(幻冬舎グループ)が斡旋した。
小説の投稿・閲覧プラットフォーム「CRUNCH MAGAZINE」を運営するCRUNCHERSとディスカヴァー・トゥエンティワンは、共同で小説レーベル「CRUNCH NOVELS」を立上げ、現在、新人小説家を募集している。応募締切は来年4月30日。作品ではなく、「作家」を募る。
応募者は同プラットフォームに会員登録後、専用Webサイトに経歴・自己PR・参考となる小説作品などを登録する。両社による選考のほか、応募者・応募作に対するユーザーからの反響、作品のテキスト解析結果、人物評価を総合して選出するという。受賞者には賞金50万円が授与され、デビュー小説はディスカヴァー・トゥエンティワンから単行本・電子書籍として刊行される。
11月29日、TBS系バラエティ番組「金スマ」で同書が紹介され、12月2日現在、社内の電話はパンク状態。同社では緊急重版10万部(24刷)を決め、12月10日に出庫する。累計46万部。書店では品切れ店が続出し、取次会社からの注文も殺到。12月12日にもTBS系「はなまるマーケット」で紹介されることから、再度、重版を検討する見通し。
日販、トーハンの年間ランキング「実用書部門」でトップ10に、同社の健康書が3点入り、社内は慌ただしくなっている。
12月2日、日販とトーハンが2013年年間ベストセラーを発表。日販の1位は村上春樹『色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年』(文藝春秋)、トーハンの1位は近藤誠『医者に殺されない47の心得』(アスコム)。2位は日販が『医者に殺されない〜』、トーハンが『色彩を持たない〜』だった。
両社とも3位は阿川佐和子『聞く力』(文藝春秋)、4位は百田尚樹『海賊とよばれた男』(講談社)。5位は日販が『とびだせどうぶつの森 かんぺきガイドブック』(KADOKAWA)、トーハンが池井戸潤『ロスジェネの逆襲』(ダイヤモンド社)だった。集計期間はともに12年12月〜13年11月。
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