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» 2013年12月05日 11時12分 UPDATE

日本人がスタンフォードのMBAで教わった“何よりも大切なこと”

M&A弁護士として活動するも休職し名門・スタンフォード大学経営大学院へ入学という変わった経歴を持つ水島淳さん。今回は水島さんの著書『スタンフォードの教え「ビー・ユアセルフ」』を紹介します。

[新刊JP]
新刊JP

 世界最高峰のビジネススクールの一つ、スタンフォード大学経営大学院(以下、GSB/Graduate School Of Business)。フィリップ・ナイト氏(ナイキ創始者)やジェフリー・ベウクス氏(タイム・ワーナー社長兼COO)ら名だたる経営者を輩出してきた名門です。

fhfig783.jpg 日本人がスタンフォードのMBAで教わった“何よりも大切なこと”

 「名門の経営大学院はすごく堅いところだ」というイメージをもし持っている人がいるとすれば、「スタンフォードのビジネススクールはまったく違う」と断言することができます。

 東京大学法学部を卒業後、司法研修所を経て、法律事務所に入所。M&A弁護士として活動するも休職し、2011年にGSBに入学したという変わった経歴を持つ水島淳さんが執筆した『スタンフォードの教え「ビー・ユアセルフ」』(扶桑社/刊)は、GSBでの奮闘の2年間を振り返るノンフィクション。エッセイのような読みやすさの中に、ビジネスのスキルが詰まった読み応えのある一冊です。

 では、水島さんは異国の地のエリートばかりが集まる場所で、どのようなことを学んだのでしょうか。本書の中から印象的なエピソードを3つご紹介しましょう。

英語はできなくても仕方ない。大切なことは……?

 水島さんは日本生まれの日本育ち。ビジネス英語程度ならばできるものの、会話ともなるとネイティブの英語になかなか対応できません。

 GSBでは、入学試験合格者を対象にした合格者歓迎イベントが行われるそうで、水島さんもそれに参加するために、一泊二日のまさに“弾丸”で渡米。なんとか目立ってやろうと企みます。

 ところが、それを阻んだのが言葉の壁でした。話せはするけれど、気軽にボケたりつっこんだりすることもできない。結果的に目立つことがまったくできずに帰国することになります。その帰国の飛行機の中で、一人で反省会を行った水島さんはある結論に達しました。

 「英語ができなくても仕方がない」

 英語が不得意でも大学は自分を採用してくれたし、クラスメイトは話し掛けてくれる。良くないことは自ら発言する機会を逸することだ。そう考えたのです。海外の大学では「自分からまず発言をする」ことが大切だとよく言われますが、水島さんはその大切さに入学前に気づいたのです。ただ、短期的にはそれで良いとしても、長期的にはしっかりと英語を習得する必要があると認識していた、とつづっています。

いかなることでも前提を置かない

 GSBにはさまざまな国籍の人間が集まっています。そして、背景としてきた文化もまったく違います。自分自身の文化がすべて正しい、と思うのはご法度ともいえること。

 水島さんは、恩師であるジョス教授に「大切なのは、すべてのことに自分の思い込みによる前提を置かないこと、一人一人の特質・特性を拙速に判断しないことだと思う」とアドバイスを受けたそうです。

 自分が思い込んでいる前提を疑ってかからなければ、多文化なチームで相互の信頼や結束力をつくりだすことはできません。こうしたことを実感できるのは、世界中のビジネスリーダーたちが集まっているスタンフォードのGSBならではといえるでしょう。

「ビー・ユアセルフ」を保ち続ける

 本書のタイトルである「ビー・ユアセルフ」とは、「自分らしくあれ」という意味です。この「ビー・ユアセルフ」こそが、GSBのカルチャーといっても過言ではありません。

 これは、自分と向き合い、自分は何なのか、自分の情熱がどこにあるのかを知るべし、という思想です。クラスメイト間でフィードバックするときも、最後には、「何が一番自分らしいのかを考えるべき」という視点で話し、結局はその人が情熱を持って進めているかどうかというのが焦点となると言います。

 「自分らしさ」は定義しにくいものですが、これが自分の情熱だと思って突き進むこと。それに基づく自分の選択に責任を持つこと、その熱い姿を見せているときが「自分らしい」瞬間であり姿であるといえるのではないでしょうか。

 スタンフォード大学といえば、IT企業の一大拠点として知られるシリコンバレーの中心に位置しています。そして水島さんは現在もシリコンバレーに残り、ベンチャー企業の共同創業者兼ビジネスディレクターとして働いています(2014年に元の法律事務所に復帰予定)。

 世界最高峰のビジネススクールで大事にされていることは、「自分らしくあれ」というとてもシンプルなことだったということを教えてくれる本書は、日本で働くわたしたちにも勇気を与えてくれるはずです。

(新刊JP編集部)

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