徹底したこだわりの表現を可能に ジャストが「一太郎2014 徹」発表

ジャストシステムが「一太郎」「ATOK」の最新バージョンを発表。「一太郎2014 徹」ではIVS対応が図られ、異体字を含めたさまざまな文字を扱えるようになった。

» 2013年12月03日 16時30分 公開
[西尾泰三,eBook USER]

 ジャストシステムは12月3日、2014年2月7日に発売予定の日本語ワープロソフト「一太郎」、日本語入力システム「ATOK」の最新バージョンを発表した。

ジャストシステム代表取締役社長の福良伴昭氏 ジャストシステム代表取締役社長の福良伴昭氏

 長い歴史を持つ日本語ワープロソフト「一太郎」は、2011年のバージョンからそのバージョンを象徴する漢字が一文字添えられるようになった。2011年は「創」、2012年は「承」、2013年は「玄」。そして一太郎2014に添えられた文字は「徹」だ。

 同社代表取締役社長の福良伴昭氏は冒頭、同社の利益は過去最高で推移していると紹介。一太郎は、一太郎2009時代と比べ、一太郎 2013 玄で売り上げ比120%に成長、ATOKも有償ATOKの出荷/ダウンロード本数は2011年から2012年で約4倍となるなど、同社の業績が好調であることを紹介した。

一太郎はIVS対応

 ジャストシステム コンシューマ事業部企画部の大野統己氏は、“徹”を冠した意図を「こだわりを持ち、作品の細部まで完成を研ぎ澄ませて作り上げる一徹な職人のように、文字としての適切さや体裁まで徹底したこだわりの表現を可能にする日本語ワープロソフト」と説明。文字・漢字表現、スタイルなど「一太郎が本来持つ機能をブラッシュアップした」という。

 一太郎2014 徹の具体的な強化ポイントとしては、IVS(Ideographic Variation Selector)対応が大きな特徴。異体字セレクタなどとも呼ばれるIVSは、異体字を含めた文字の字形をより詳細に指定するための機能。IVS対応に加え、それに対応したフォントがあれば、従来なら外字扱いなどになっていたものも入力・表示できる。人名や地名などで今なお多く使われている異体字を簡略化せず正確に表現できるようにするものだ。同社の法人向け製品「一太郎Pro」での対応に続くものとなる。

異体字も自由自在に

 一太郎 2014ではHanyo-Denshiコレクションに準拠してIVSを実装したIPAmj明朝フォントを標準搭載。これにより、前バージョンで約1万3000の文字種だったものが約5万8000文字まで拡大。IVS対応を果たしているアプリケーションであれば字形を維持したままコピー&ペーストなども可能で、ATOK 2014からIVS対応アプリ(例えばWord 2013)に異体字を入力することもできる。

 スタイルの強化では、レポート、文庫本、会報など約380点のスタイルを収録し、美しいレイアウトを適用できるようになったほか、約350点のサンプルから罫線表を簡単に作成できるようになった。

スタイルの指定もさまざまなバリエーションが用意されている

電子書籍関連の機能も強化

 電子書籍関連では、新たに章見出しを中扉としたり、奥付をページ末尾に簡単にレイアウトできるようにしたほか、固定レイアウトのEPUBでも目次の設定に対応。個人電子出版の現場の声を生かした強化を図ったとしており、例えば特定の入稿仕様に合わせるためにEPUBとは別に表紙を画像として出力できたり、mobi形式の保存時にEPUBファイルも出力できるようになった。

 一太郎2014 徹の価格は2万円。このほか、上位版として「字游工房フォント 10書体」、統合グラフィックソフト「花子2014」、「Shuriken 2014」「詠太4」を収録した「一太郎2014 徹 プレミアム」(2万5000円)と、フォトレタッチソフト「Zoner Photo Studio 15 HOME J」、「一太郎マウス型スキャナ」(キングジム製)を同梱した最上位版「一太郎2014 徹 スーパープレミアム」(3万3000円)も併せて発売する。

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