出版業界ニュースフラッシュ 2013年10月第3週

出版業界で先週起こった出来事をまとめてお届けする週刊連載。10月第3週は、数社から決算関連の発表、そして復刊ドットコムの累計投票数が80万票を超えたことなどが発表されています。

» 2013年10月22日 14時15分 公開
[新文化通信社]
新文化通信社

トーハン中間決算、7年ぶりの増収に

 10月17日、京都トーハン会の席上、近藤敏貴副社長が第67期中間決算について増収の見通しと発表した。2006年以来。7年ぶりに前年を上回る。近藤副社長はTONETS Vの「適材適書」システムと同iによる売上げ施策などをその要因に挙げた。

 当日は会員書店、出版社など総勢約200人が出席。横谷隆幸代表世話人(萬年堂)は、武雄市公共図書館の運営の在り方に危機感を露わし、全国に広がる可能性があると問題視した。

講談社、第75期決算は増収増益の見通し

 10月16日、東京・日比谷の帝国ホテルで行われた、第35回「読者が選ぶ・講談社広告賞」の席上で野間省伸社長が発表した。第75期(平成24年12月1日〜平成25年11月30日)決算は、百田尚樹『永遠の0』や『海賊とよばれた男』(上・下)のほか、諫山創「進撃の巨人」の発行部数が2400万部を突破するなど例年以上のヒット作が続いたことで増収増益となる見通し。

 電子書籍事業については、「前年比150%と大きく伸長を見込んでいる」と野間社長は話した。また、今年休刊した『Grazia』『GLAMOROUS』に代わる新雑誌の創刊も構想しているという。

イオン、文藝春秋を提訴

 10月16日、「週刊文春」(文藝春秋)による報道で名誉を毀損されたとして、東京地裁に訴状を提出したと発表。「『中国猛毒米』偽装 イオンの大罪を暴く」と報じた同誌10月17日号の記事内容が、「根拠を有しない著しく公正さを欠いた」ものであるとして提訴に踏み切った。損害賠償の請求金額は1億6500万円。

復刊ドットコム、累計投票数80万票突破でキャンペーン

 ユーザーが復刊してほしい書籍をサイト上で投票し、それにより復刊サービスを行ってきた同社。1999年に創業、2000年にサービスを開始して以来、投票数が累計80万票を超えた。これまで復刊した書籍は5000点以上という。投票数は2012年度に前年比30%増となるなど増加している。

 同社ではこれを記念してTポイントが80ポイントもらえる感謝キャンペーンを10月31日まで行っている。復刊ドットコムで商品を購入した全員に1人1回限りで進呈する。

Copyright 2015 新文化通信社 All Rights Reserved.