「BOOK☆WALKER」を徹底解剖する：電子書店完全ガイド2013（5/5 ページ）

[鷹野 凌，ITmedia]

購入した本はどうやって保管されるか？

　　端末にダウンロードした電子書籍にはDRMが掛かっていますので、バックアップコピーや移動はできません。ただ、購入した作品には一部を除き再ダウンロード期限などは設けられていないので、クラウド上の［一覧］から何度でもダウンロードできます（☆+0.5）。端末の故障によるファイル紛失といった心配は要りません。

［マイページ］の本棚連携状況一覧

　また、他の電子書店との「本棚連携」を積極的に推し進めているのは、将来に対する不安を軽減させられます。BookLive!、ブックパス、ニコニコ静画（電子書籍）、電撃モバイルNEOで購入したKADOKAWA系作品（メディアファクトリー作品を除く）と、MFラノベ☆コミックで購入したメディアファクトリー作品（一部を除く）は、BOOK☆WALKERでも読むことができます（☆+0.5）。また、MFラノベ☆コミックとニコニコ静画（電子書籍）とはそれぞれ相互連携しており、対象作品であればどちらで購入しても、どちらでも読めるようになっています（☆+0.5）。

　多くの競合他社が自社サービス内だけにユーザーを閉じ込めている中、対象作品が自社グループだけとはいえ、相互連携まで踏み込んだ展開を始めていることは高く評価できます。購入した電子書店に縛られあちこちに本棚ができてしまい管理しきれなくなってしまうような現状から、どの電子書店で買ったコンテンツであろうと関係なく1つの本棚で管理できるような環境が早期に実現されることを期待しましょう。

評点：☆4.5

総括

　「総合書店」としての展開を始めてから、KADOKAWA系以外のコンテンツをかなりの勢いで増やしているにも関わらず、「KADOKAWAレーベルの専門店」というイメージをなかなか脱却できていないというのが現状でした。“フロア増床”のリニューアルは、これまでのイメージを残しつつも、実は他社レーベルも数多く扱っているということを、もっと多くの人に知ってもらう目的もあったのでしょう。

　配信数の増加、お知らせ機能やセーフサーチやCheck!リストの追加、TwitterやFacebookでの積極的な情報発信、支払い方法の追加、ビューワの刷新としおりや付箋の同期機能、グループ内外電子書店との本棚連携など、めざましい進化を遂げています。

　チャートで見ると前回よりあまり点数が増えていないように思えますが、これは電子書店全体のレベルが向上し、前回は加点対象としていた項目が、他社も追随してきたため加点対象から除外していたりするためです。

赤が前回の評点、青が今回の評点

著者プロフィール：鷹野 凌

　フリーライター。ITmedia eBook USER、ダ・ヴィンチ電子ナビ、INTERNET Watch、マガジン航などに寄稿。ブログ「見て歩く者」で、小説・漫画・アニメ・ゲームなどの創作物、ボカロ・東方、政治・経済・国際などの時事問題、電子出版・SNSなどのIT関連、天文・地球物理などの分野について執筆。電子書籍『これもうきっとGoogle+ガイドブック』を自己出版で1〜3巻まで配信中。

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