「BOOK☆WALKER」を徹底解剖する電子書店完全ガイド2013(2/5 ページ)

» 2013年10月08日 08時00分 公開
[鷹野 凌,ITmedia]

読みたい本を簡単に探せるか?

 次に、「読みたい本を簡単に探せるか?」をチェックします。BOOK☆WALKERで本を探す方法には、PC向けWebサイト(http://bookwalker.jp/)、モバイル向けWebサイト(URLはPC向けと同じ)、Androidアプリ内ストア、iOSアプリ内ストアがあります。

PC Webから探す場合

 トップページは、ライトノベル中心の1号館、コミック中心の2号館、文芸・専門書中心の3号館に分かれており、最後に訪問した場所が「行きつけのフロア」として次回訪問時のトップページになります。ただ、どの館からでも、キーワード検索欄からはすべての本が検索できます。また、キーワード検索欄にある[すべての本▼]プルダウンで、コミック、文芸、ライトノベル、実用、新書、ゲームのカテゴリで、絞り込み検索もできます。残念ながらサジェスト機能には未対応(☆-0.5)です。


ライトノベル中心の1号館トップページ ライトノベル中心の1号館トップページ
コミック中心の2号館トップページ コミック中心の2号館トップページ

文芸・専門書中心の3号館トップページ 文芸・専門書中心の3号館トップページ
[すべての本▼]プルダウンでカテゴリを絞り込んだキーワード検索ができる [すべての本▼]プルダウンでカテゴリを絞り込んだキーワード検索ができる

 読みたい作品が決まっておらず、「何か面白い本はないかな?」と探す場合は、画面上部の[カテゴリから探す]ボタンにマウスカーソルを重ねると、ジャンル、レーベル、シリーズ、作家・著者名、出版社の一覧メニューが表示されます。このメニューは、それぞれの館で中身が異なります。


1号館の「レーベル」メニュー 1号館の「レーベル」メニュー
3号館の「シリーズ」メニュー 3号館の「シリーズ」メニュー

 “フロア増床”リニューアルでも紹介しましたが、各館トップページが非常に縦に長く、さまざまな「おすすめ棚」が用意されているのも特徴です。最下部の[もっと見る▼]をクリックすると、約30段もの棚が表示されます。特に目的を持たずにぶらっと立ち寄り、トップページを上から下まで眺めるといった楽しみ方もできます(☆+0.5)。


1号館最下部の[もっと見る▼]を展開した状態 1号館最下部の[もっと見る▼]を展開した状態
2号館最下部の[もっと見る▼]を展開した状態 2号館最下部の[もっと見る▼]を展開した状態
3号館最下部の[もっと見る▼]を展開した状態 3号館最下部の[もっと見る▼]を展開した状態

 検索結果一覧の画面は、前回調査時とは異なり、左カラムからカテゴリ、ジャンル、レーベル、出版社、作家、シリーズなどの条件を選択して絞り込めるようになったため、以前に比べると非常に検索しやすくなりました。

 また、以前の検索結果一覧は初期設定が[詳細表示]でしたが、リニューアル後は[簡易表示]になっており、一覧性が高くなっています。[簡易表示]は1ページに最大60件、[詳細表示]は1ページに最大8件表示されます。人気順、リリース順、タイトル順で並び替えができますが、昇順・降順は変えられません。


前回調査と同じく“生徒会の一存”で検索した結果 前回調査と同じく“生徒会の一存”で検索した結果
左カラムから[コミック]と[角川コミックス・エース]で絞り込み 左カラムから[コミック]と[角川コミックス・エース]で絞り込み

[詳細表示]に切り替え [詳細表示]に切り替え
並び替えは以前と同じく、人気順、リリース順、タイトル順 並び替えは以前と同じく、人気順、リリース順、タイトル順

 以前は書影とともに常時アイコンで表示されていた「ライトノベル」「コミック」などのカテゴリ情報は、[簡易表示]の場合はマウスカーソルを重ねたときのみ表示される形に変わっています。[詳細表示]の場合は、「ジャンル」情報にテキストで表示されます。また、購入済みの書籍は、背景がグレーになり「購入済」と表示されるので、ひと目で見分けが付きます。

 また、前回調査時点にはなかった機能として、[Check!]ボタンとCheck!リストが追加されています。ログインした状態で使える機能ですが、例えば今後配信予定になっている本や、すぐ買う気はないけど気になる本を1クリックで登録し、後から一覧リストでカートへ入れたりできます。


右上の「鋼殻のレギオス25」にマウスカーソルを重ねた状態 右上の「鋼殻のレギオス25」にマウスカーソルを重ねた状態
Check!リストの一覧 Check!リストの一覧

 [マイページ]にはBOOK☆WALKERからのお知らせメッセージが配信されるようになっており、購入済み書籍の続刊発行お知らせや、特典ギフトコードなど、比較的重要なお知らせが届きます。また、「セーフサーチ」によって、BL(ボーイズ・ラブ)、TL(ティーンズ・ラブ)などアダルト表現が含まれる作品を非表示にできる機能も追加されています。


[マイページ]に届いた未読メッセージのお知らせ [マイページ]に届いた未読メッセージのお知らせ
セーフサーチの設定 セーフサーチの設定

 検索結果一覧などから書影や作品名をクリックすると、作品の詳細画面が表示されます。詳細画面には書影・タイトル・シリーズ名・著者名・原作者・キャラクターデザイン・出版社・レーベル名・シリーズ名・ジャンル・内容紹介文などの書誌情報が表示されています。下部にはシリーズ作品一覧、リコメンド(これもおすすめ)、自分の閲覧履歴などが表示されます。


作品詳細画面(上) 作品詳細画面(上)
作品詳細画面(下) 作品詳細画面(下)

 他店と比べると、書誌情報は若干少なめです。配信開始日や、紙の本の発売日、紙の本の定価などの情報が掲載されていません。また、ボーンデジタルコンテンツの配信も始まっていますが、どの程度のコンテンツ量なのかが購入してみないと分からないので、ファイルサイズや紙の本に換算した場合のページ数を参考値として載せてほしいところです。例えば「カドカワ・ミニッツブック」のように、読了までに必要な時間を目安として載せるといった形もいいでしょう。

 また、多くの他店では掲載されている、ユーザーによるレビューや評価点がないため、購入するかどうかを判断するのにほかの人の意見を参考にすることができません。TwitterやFacebookなどのSNSへコメントを付けて共有するボタンはありますが、そこから感想を検索するのは困難です。書誌情報が若干少なめという点と合わせ、減点(☆-0.5)としました。

 「これもおすすめ」に表示されるレコメンドに、同じレーベルの作品だけが表示されるのも気になるところです。トップページで展開されている「おすすめ棚」と同じように詳細画面でも、同じ作者の別シリーズや、ライトノベルのコミカライズや、コミックのノベライズといった別レーベルの派生作品も表示してほしいように感じます。

モバイルWebから探す場合

 続いてモバイル向けWebサイトをチェックします。機能的にはPC Webサイトとほぼ同じですが、モバイル向けのレイアウトになっています。


全体のトップページ 全体のトップページ
1号館トップページ 1号館トップページ
PC Webほどではないが、そこそこ縦に長い PC Webほどではないが、そこそこ縦に長い

ジャンル検索や他の館への移動は[menu]ボタンから ジャンル検索や他の館への移動は[menu]ボタンから
ジャンル一覧から[コミック]を開いた状態 ジャンル一覧から[コミック]を開いた状態
作品の詳細画面 作品の詳細画面

Androidアプリから探す場合

 Android専用アプリ「BOOK☆WALKER -電子書籍-」は、GooglePlayから無料でダウンロードできます。なお、Kindle FireなどのGooglePlayに非対応のAndroid端末は、試験施行で配布されているapkファイルをダウンロードし、「提供元不明のアプリのインストールを許可する」設定にすることで利用可能となります。アプリを開くと[本棚]画面が表示されるので、左下の[ストア]メニューをタップします。本稿執筆時点では、アプリ内ストアはまだリニューアル前の画面のままでした。


アプリを開いた時に表示される[本棚]画面
アプリの[ストア]はまだリニューアル前だ
作品詳細画面も以前のまま

iOSアプリから探す場合

 iOS専用アプリ「BOOK WALKER (電子書籍)」は、App Storeから無料でダウンロードできます。Android版同様、アプリを開くと[本棚]画面が表示されるので、左下の[ストア]メニューをタップします。こちらも本稿執筆時点では、アプリ内ストアはまだリニューアル前の画面のままでした。

 なお、iOSアプリ内ストアでは一部のレーベルが販売されていません。Kinoppyと同様に、Appleによる販売価格の価格帯(Price Tier)制限によって同じ本が同じストアで異なる価格になってしまうため、出版社側で販売を許諾しないケースがあるものと思われます。Webストアからは全ての本が購入できます。


こちらも[ストア]はまだリニューアル前 こちらも[ストア]はまだリニューアル前
[ゲーム館][文芸館]という分け方になっている [ゲーム館][文芸館]という分け方になっている
作品詳細画面も以前のまま 作品詳細画面も以前のまま

 また、TwitterFacebookでは、公式アカウントが積極的に情報発信を行なっています。新着情報やセール情報、特集のお知らせなどが随時配信されているので、フォローしておくと情報を見逃さずに済むかもしれません。

 他店ではあまり見かけない特徴として、新着情報をRSSで配信している点と、近日配信予定の作品を事前告知している(☆+0.5)点が挙げられます。近日配信予定は、以前は単純な一覧リストだけでしたが、一部の作品は詳細な書誌情報や書影まで登録され、Check!リストに追加できるようになっています。

 一般的に、紙の本の発売日から電子の本が配信されるまで、時間がかかってしまう場合がまだ多いのが現状です。ユーザーからすれば、同時発売が一番望ましいわけですが、少なくとも電子版がいつから配信されるかが明確になっていれば、電子版が出るまで待つのか、待たずに紙の本を先に買うのかという判断がしやすくなります。そういう意味で、BOOK☆WALKERの「情報をなるべく早く出す」姿勢には好感が持てます。

評点:☆3.0

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