出版業界ニュースフラッシュ 2013年10月第1週

出版業界で先週起こった出来事をまとめてお届けする週刊連載。10月第1週は、CCCが運営する武雄市図書館がオープン半年で来館者50万人突破したことなどが話題になりました。

» 2013年10月07日 12時30分 公開
[新文化通信社]
新文化通信社

JPO、店頭試し読みシステム「ためほんくん」事業を開始

 日本出版インフラセンター(JPO)は10月3日、第1回「ためほんくん」管理委員会を開き、委員長に佐藤隆哉氏(小学館)、副委員長に角田真敏氏(講談社)を選任した。「ためほんくん」は9月末現在、254店の書店に346台の液晶端末が導入され、出版社16社・約3600作品のコミックを試し読みできる。今後は導入書店を早い段階で500店に増やす一方、参加出版社の拡大とコンテンツの拡充を図り、さらに店頭販促効果を高める。

 日本書店商業組合連合会の運営でスタートした同事業は10月1日付でJPOに移管された。利用料は日書連の加盟店が月額3000円、それ以外は6000円で変更なし。佐藤委員長は「普段はシュリンクされて中身を見られないが、ためほんくんのプロモーション機能を活用すれば、中小規模のリアル書店でも売り伸ばすことができることは実証済み。実験的に絵本の試し読みを行ったが、別々のモニターでの運用だった。これを切り替え式にするなど、機能面の向上も図っていきたい」と話している。

小学館、女性向けサイトを開設

 このほど、女性向けのニュース、モデル情報、雑誌掲載コンテンツなどを紹介するサイト「Woman Insight」をオープンした。同社のファッション誌の誌面を用いた情報のほか、モデルやタレントに取材した独自情報なども掲載。1日4記事、月間120記事を目安にアップしていく。

 また同社ではこれに先立ち、女性の動向や本音を探る「小学館女性インサイト研究所」を立ち上げている。ここでは、これまでの女性誌のノウハウや人脈を生かしたマーケティング、商品開発などを行う。同研究所の実績や活動はサイト「インサイトラボ」で公開する。

武雄市図書館、半年で来館者50万人突破

 カルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)を指定管理者として運営する佐賀・武雄市の武雄市図書館の来場者数が、4月1日のリニューアルオープンから9月30日までの半年間で51万9039人となった。これは昨年度の約3.5倍の規模。

 1日の平均利用者数は2814人(前年比224%増)、図書貸出し冊数は累計30万0031冊(同78%増)、1日平均1640冊(同64%増)。居住地域別の利用者の割合は、市内が59.3%、市外が31.7%、県外が9.0%。カードは、93.9%の人がCCCの「Tカード」を利用している。

新潮文庫『陽だまりの彼女』、100万部突破

 9月30日、5万部の重版を決めて累計発行部数が100万3000部になった。越谷オサム『陽だまりの彼女』は2011年6月に刊行。発売して1年後には30万部を超えていた。映画化の話題もあり、今年9月からは毎週5万部のペースで重版し、好調な売行きを示している。

 映画「陽だまりの彼女」の公開日は10月12日。松本潤さん、上野樹里さんが初共演することで注目を集めている。

Copyright 2015 新文化通信社 All Rights Reserved.