Amazon、英国電子書籍市場の79%を支配

英国情報通信庁が発表した英国電子書籍市場に関するリポートでは、Amazonが圧倒的な存在感を放っている。

» 2013年10月04日 13時00分 公開
[Michael Kozlowski,Good e-Reader Blog]
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 UK Intellectual Property Officeの資金提供の下、調査会社のKantar Mediaが請け負った調査の結果をOfcom(英国情報通信庁)が発表した。この調査結果によると、2013年3〜5月にかけて回答者の79%がAmazon Kindleプラットフォームを利用しており、ほかの電子書籍ストア利用者が少数に留まっているのが明白となっている。

 Amazonは英国でポピュラーな書店で、ほかのすべての書店は英国という世界最大の出版市場の1つで一けた%のシェアに留まっている。AppleのiBookstoreがシェア第2位で9%、Googleのサーチエンジン経由が第3位で8%、Google Playが6%、電子メール経由で電子書籍へアクセスしたりダウンロードするものが5%、Koboが5%、Facebook経由が4%となっている。また、WarterstonesがMicrosoft Windows・Android向けのプラットフォームとしてuTorrentとともに英国電子書籍市場の3%を占めている。

 この調査結果で非常に興味深いのはBarnes & Nobleがトップ10にすら食い込んでいないことだ。広告やデバイス価格の大幅な値引きといった投資を考えると、顧客の反応は良くない。

 調査期間中に、顧客は5億2500万ポンド(約825億円)を電子書籍の購入に当てており、英国民1人当たりで9.79ポンド、積極的な書籍購入者だと1人当たり26.19ポンドとなっている。これはかなりの購入額だが、平均より高い電子書籍価格には非難の声が上がっている。回答者の81%が電子書籍1冊につき最小構成価格の2ポンドを支払うことには抵抗がないとしており、回答者が進んで支払う電子書籍の平均価格は3.74ポンド(約590円)という。

 調査結果では海賊版の傾向についても論じている。回答者の1%がファイル共有Webサイトを利用して電子書籍の海賊行為に従事しているという。最も興味深いのは本の海賊行為に従事する人が平均よりも多くの書籍を購入していることだ。電子書籍の海賊行為に従事している人が電子・紙書籍に平均27.46ポンドを使っていると回答したのに対し、電子書籍を常に購入している人は平均23.77ポンドを使っていると回答した。

 どのような書籍に対して海賊行為が行われているのか理解を深めるために、Good e-Readerのベストセラーリストなども参考にしてほしい。これは、どんな書籍やジャンルに対して最も海賊行為が行われているのか出版社と読者に情報提供を行うためにすべての大手ファイル共有Webサイトを調査するなどして制作しているものだ。

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