8大学で電子書籍の合同実証実験始まる

大学図書館における電子書籍の活用に関する総合的な実証実験を複数の大学が合同で開始した。

» 2013年10月01日 08時00分 公開
[西尾泰三,ITmedia]

 慶應義塾大学など8大学は10月1日から、大学図書館における電子書籍の活用に関する総合的な実証実験を開始した。大学図書館における電子書籍の「利用イメージ」を明らかにすることが主目的で、複数の大学が合同で実証実験を行うのは日本では初。

 12月末まで行われるこの実証実験は、大学図書館電子学術書共同利用実験に参加している8大学(慶應義塾大学、大阪大学、神戸大学、東京大学、名古屋大学、奈良先端科学技術大学院大学、福井大学、立命館大学)が合同で行うもの。

 専用アプリを搭載したiPadなどのデバイスを貸し出してのモニタ一実験や、商用ディスカバリーツールであるEBSCOのEBSCODiscovery ServiceやExLibrisのPrimoを使用したナビゲーションシステムの検討、図書館資料の貸出ログ分析などによるコンテンツ調査、電子教科書の提供・利用実験などが予定されている。

 大学図書館における電子書籍の有効性についての検証は数年前から行われており、一定の成果が出ているが、大学図書館全体での汎用性や実用化の面で課題を残す。今回の実験は、設置学部や学生数の異なる国立、私立の8大学が合同で実験を行うことで、大学図書館に共通する電子学術書に対するニーズを明らかにすることを狙う。

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