出版業界ニュースフラッシュ 2013年9月第2週

出版業界で先週起こった出来事をまとめてお届けする週刊連載。9月第2週は、「文春学藝ライブラリー」や「ポプラ新書」の創刊が発表されています。

» 2013年09月17日 11時45分 公開
[新文化通信社]
新文化通信社

文藝春秋、「文春学藝ライブラリー」創刊へ

 10月18日、既刊書などを文庫版で復刊し、5点を揃えて創刊する。中高年や大学生など本好きに向け、長期販売を目指す。偶数月20日発売。以降3〜4点のペースで刊行、定価は1200〜1600円の予定。

 創刊ラインアップは、江藤淳『近代以前』、福田恆存『保守とは何か』、内藤湖南『支那論』、同社編『天才・菊池寛――逸話でつづる作家の素顔』、ジョン・メイナード・ケインズ『デフレ不況をいかに克服するか』。

JPO、「出版権・書誌情報管理研究委員会」の設置決める(9/13)

 出版物の内容、在庫、電子化などの情報と当該出版物の各種権利情報を一元管理する目的で調査・研究していく。委員長には柳本重民氏(集英社)、副委員長に平井彰司氏(筑摩書房)が就く予定。

 日本インフラセンター(JPO)の商品基本情報センター、近刊情報センター、図書コード管理センター、雑誌コード管理センターの最新情報を集約し、メンテナンスを行う。そのために必要なセキュリティ、ネットワークシステム、メンテナンス資金、運用体制、アクションプランニング、総費用の試算を検討する。

「ポプラ新書」、9月18日創刊

 9月18日、点数7点を揃えて創刊する。予価は819円から。11月から毎月2〜3点刊行する。初回、配本する書店は1750店で、そのうち300書店で仕掛け販売する。創刊日直後の9月20、22、24日には、全国紙、地方紙で大々的にPRする。

 創刊ラインアップは、鎌田實『〇に近い△を生きる 「正論」や「正解」にだまされるな』、柴門ふみ『バカボンのママはなぜ美人なのか 嫉妬の正体』、石井光太『世界の美しさをひとつでも多く見つけたい』、古谷将太『コミュニティ発電所 原発なくてもいいかもよ?』、原田泳幸『ストイックなんて無用だ』、汐見稔幸『本当は怖い小学一年生』、池上正樹『ダメダメな人生を変えたいM君と生活保護』。

 9月11日には、東京・大京町の同社でメディア向けの創刊発表会を開催。創刊第1弾となる『世界の美しさをひとつでも多く見つけたい』の著者、石井氏が登壇し、執筆経緯などについて話した。同氏は12日からポプラ社のホームページ「ポプラビーチ」で、同新書が刊行されるまでの経過をたどった「ポプラ新書創刊までの新・ドキュメント」を10日間連載する。

主婦と生活社、「新春 すてきな奥さん」を初版51万部で

 11月22日発売の「新春 すてきな奥さん」の初版部数を51万部にする方針。昨年は50万7000部で実売率83.3%だった。キャラクターの「リラックマ」を付録などに用いて10年目。とくに今年は家計簿や便利ポーチなどの5大付録の値頃感を高め、完売を目指す。学研パブリッシング「おはよう奥さん」の休刊も決まっていることから、初版部数を微増した。予価1500円。書店への報奨金が付く拡売企画の申込み締切日は10月10日。

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