スタパ 自動ページめくり装置を搭載する予定となどは……。
宮内 ないですねぇ。PFUが開発すべきものではないんじゃないかなぁ、という気がしています。
松本 もっとそういう開発技術を持っているメーカーさんがやってくださるのではないかと期待しているんですけどね。本製品に限らず、多くのパートナー様とエコシステムを構築できればと思っています。今のところは、かゆいところに手が届くこういう製品がサードパーティから出ていたりするんですよ。
スタパ お、これは、書籍を押さえるものですかっ?
松本 そうなんです。これ、ブックプレッサーという名前なんですけどね。バード電子さんから出していただきました。書籍だけではなく、名刺や新聞など、それほど厚みを感じないものでも、実際には反っていたりしますよね。それを真っ直ぐにしたいじゃないですか。それをこんな風に押さえることできちんと真っ直ぐにしてくれるんですよ。
スタパ 光が反射してうまくスキャンできない、ということはないんでしょうか。
松本 ディスプレイなどによく貼ってある、蛍光灯などの乱反射をなくし、かつ透過性の高いフィルムがアクリルに貼ってあるんですよ。かなり高価なフィルムなので、この製品自体1万5000円(税抜き)しますが、必要な人にとってはありがたい製品なんでしょうね。ほかのベンダーさんでも、もっと廉価なものが出てくるかもしれませんが、我々としてはこうやって盛り上げてくれるのは嬉しいことですよね。
スタパ ほかにサードパーティ製で何か出ていますか。
松本 こういう、ヘッドカバーやキャリーバッグも出ていますね。これもバード電子さんからですね。
スタパ これは、オーナーになったらぜひ買いたいですねぇ。気が効いていますしね。
松本 実は文具王の高畑(正幸)さんが、こういうのを作ってください、と段ボールでデザインしたものを持って来てくださったんですが、「バード電子さんに持って行ってみたらどうですか?」とお伝えしたところ、本当に製品化してくださったといういわくつきのものなんですよ。
スタパ そうなんですね。これなら、どこにでも持って行って、取材先で即座にデジタル化して送る、ということもできそうですね。
松本 車ならいいですけど、持ち歩くには重いですよね。でもそうやって、活用していただけるのはありがたいです。
スタパ 正直、これだけの性能のものを詰め込んでいるのにこのお値段って驚きですよね。
宮内 やはりそうですか……。
松本 いや、ここはかなり考えたんですよ。でも、この値段だからこそこれだけ話題になり、多くの方たちの手に取っていただけたのではないでしょうか? 利益も大切ですが、「こんなに苦労して作ったんだ! だから高額で!」というよりは、これだけの技術の粋を尽くしたものを手頃な価格で手に取っていただいて、さらっと使っていただいたほうがいいかな、と思ったんです。
スタパ なるほど。これも製品への愛ですな。ScanSnap SV600に対する情熱と愛を感じることができました。今日は本当にありがとうございました。
わたしたちの予期していなかったような発言が飛び出すなどして、終始笑いが絶えないインタビューだったが、ScanSnap開発者としての画質へのこだわりや製品への情熱を感じられ、終わるころには聞いているわたしたちも同機に愛着を覚えてしまうほどに。
同梱されているソフト「ScanSnapマネージャー」はかなり完成度が高いが、今後もさらに使いやすくするために、改良を重ねていくという。これからも、わたしたちを「あっ」と驚かせるような製品を送り出してくれ、わたしたちをワクワクさせてくれるに違いない。
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