次にi1Proで作成した新旧Nexus 7のICCプロファイルをMac OS XのColorSyncユーティリティで表示し、それぞれの色域を比較した。
結果は以下の通りで、グラフ内で色が付いた面積が広いほど、表示できる色の範囲が広く、鮮やかな発色が得られることを意味する。色が付いている部分がそのディスプレイで再現できる色域、薄いグレーで重ねて表示してあるのはsRGBの色域だ。
Nexus 7(2013)の2台は、sRGBの色域をほとんどカバーしており、タブレットとしては色域が広い。sRGBより色域がかなり狭いNexus 7(2012)と比較して、より色鮮やかな表示が可能だ。Nexus 7(2012)の発色も悪くはないが、Nexus 7(2013)と並べると、かなりあっさりした色味に見える。
今回のテスト結果では、Nexus 7(2013)が単に高解像度・高画素密度になっただけではなく、最大輝度や階調再現力、色域も強化され、総合的な画質が大きく向上していることが分かった。現在販売されている7型タブレットでは、最高級の画質といえる。
電子書籍などで細かい文字もつぶれず滑らかに表示できるほか、映像コンテンツを明るく色鮮やかに再生できるため、さまざまな用途で高画質化の恩恵を受けられるはずだ。
特に画素密度の高いスマートフォンの表示に目が慣れて、既存の7型タブレットの表示が粗く見えて困っているような方には、Nexus 7(2013)を強くおすすめしたい。
Appleの7.9型タブレット「iPad mini」とも画質を比較してみた。Nexus 7はモデルチェンジしたばかりで、対するiPad miniは2012年11月に発売された製品ということもあり、時期的にiPad miniが不利となる点はご留意いただきたい。
テストしたiPad miniは、色温度が適正(6500K)に近い一方、画素密度、明るさ、ガンマカーブの正確さ、色域ではNexus 7(2013)が勝っていた。総合的な画質は、Nexus 7(2013)のほうが明らかに上だ。
しかし、iPad miniはアスペクト比4:3の7.9型液晶ディスプレイを採用し、電子書籍やWebページの一覧性が高い点は覚えておきたい。また、年内に次期モデルが登場するとみられており、Retinaディスプレイの採用でNexus 7(2013)を一気に抜き去る可能性もある。年末に向けて、定番7型タブレッドの新モデル対決がヒートアップしそうだ。
Nexus 7(2013)、Nexus 7(2012)、iPad miniの液晶ディスプレイ | |||
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製品名 | Nexus 7(2013) | Nexus 7(2012) | iPad mini |
画面サイズ | 7型ワイド | 7型ワイド | 7.9型 |
画面アスペクト比 | 16:10 | 16:10 | 4:3 |
液晶パネル方式 | IPS | IPS | IPS |
画面解像度 | 1920×1200ドット | 1280×800ドット | 1024×768ドット |
画素密度 | 約323ppi | 約216ppi | 約163ppi |
表面仕上げ | グレア | グレア | グレア |
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