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» 2013年08月07日 11時00分 UPDATE

紀伊國屋書店のアジア向けネット通販事業に産業革新機構が出資

アジア向けに展開する書籍を中心としたEC事業として紀伊国屋書店が4月に設立した新会社に、産業革新機構も出資する。

[西尾泰三,ITmedia]

 世界よ、これがKinokuniyaだ――書店大手の紀伊国屋書店が本格的に世界に打って出る。

 同社は8月6日、産業革新機構との間で、アジア地域で書籍を中心としたEC事業を展開するための新会社に共同で最大20億円の出資(第三者割当による増資)を行うことで基本合意した。

 この新会社は4月に紀伊國屋書店とインフォシティの出資により4月に設立されたアジアンベイシス(ABC)を指す。ABCは本社こそ東京だが、シンガポール、マレーシア、タイ、台湾、オーストラリア、UAEなどの地域で、英語、日本語、中国語、現地語など各国語の書籍(長期的には電子書籍の取り扱いも視野に入れている)、日本発の文化関連商品(文具、キャラクターグッズなど)を中心としたネット通販事業を「Kinokuniya」ブランドを生かして展開する計画。

 ABCが目指すのは、日本で生まれる商品をアジアに供給する流通チャネルとしての役割。紀伊國屋書店は、国内64店舗10営業(本)部など国内最大級の書店チェーンを展開する一方、海外では米国、シンガポール、台湾、インドネシア、マレーシア、タイ、オーストラリアなど8カ国25店舗で営業している。今回の発表に伴い、紀伊國屋書店の現地法人が運営する店舗・通販事業のうち、通販事業をABCに譲渡し、ABCの企業基盤にする考え。

 出版業界、あるいは電子書籍関連で産業革新機構が投資を決めたのはこれが一年ぶり二度目。最初の投資は、出版デジタル機構に対してのものだった。

 海外を視野に入れたネット通販事業に紀伊國屋書店が乗り出すのは大きな動きだ。米大手書店のBarnes & Nobleはハードウェアも内製しつつ海外展開を図っているが、経営的にも苦戦している。紀伊國屋書店の今回の動きは、7月に開催された東京国際ブックフェアの基調講演でKADOKAWA 取締役会長の角川歴彦氏が話した日本のコンテンツを集約した統合プラットフォームの必要性の話とも関連し、今後が注目される。

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