インタビュー
» 2013年08月06日 15時50分 UPDATE

対象者が増える! 2015年の相続税大増税のキモとは? (1/2)

2015年に大増税される相続税。申告する必要がある人が増える今回の増税の前に、どのような心構えをしておけばいいのだろうか。税理士の落合さんにインタビューを行った。

[新刊JP]
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 2015年1月1日から、相続税が大増税となることをご存じだろうか。

fhfigsj517.jpg 『相続と節税のキモが2時間でわかる本』著者の落合孝裕さん

 遺産相続というと「もめる」「ややこしい」といったイメージを持っている方も多いだろうが、実は基礎控除額というものがあったため、相続税を申告しなければいけない人は全体の4%程度だった。しかし、2015年の増税によって、これまで申告する必要がまったく必要なかった人たちも申告をしなければいけなくなるという。

 そんな2015年の相続税の大増税を、分かりやすく解説してくれるのが落合孝裕さんの『相続と節税のキモが2時間でわかる本』(日本実業出版社/刊)だ。いったい何がどう変わるのか? どう対策をすればいいのか? ストーリー形式でつづられているので、ケーススタディを通して理解していくことができる。今回は本書を執筆した落合さんに「相続税増税の要点」についてインタビューを敢行。いったいどう変わるのか?

(新刊JP編集部)


―― 『相続と節税のキモが2時間でわかる本』はこうしたジャンルの本には珍しく、ストーリー形式で相続や節税のことが学べる内容となっています。ただ、気になったのがそのストーリーの舞台が2015年なんですね。これはどうしてなのでしょうか。

落合孝裕さん(以下落合) 実は2015年に相続税が大増税されるんです。今、出版されている本の多くは現状と増税後の二段構えで説明しているものが多いのですが、この本では、少し長い目で見て相続を心配されている方に読んで欲しいと思い、2015年の増税後のシステムにしぼって書いています。

―― じゃあ、ストーリーはすべて増税後の計算式で展開されるわけですね。

落合 そういうことになりますね。

―― 2015年の相続税の改正によって、具体的にどう増税されるのですか?

落合 増税なので、相続税が増えます(笑)。具体的に言うと、いろいろなところが変わるのですが、一番大きいところでは基礎控除額が減ります。相続財産(亡くなった人が遺した財産)のうち、税金がかからずに控除される額があって、それが現状では『5000万円+1000万円×相続人の数』となっています。だからもし、相続人が妻と子ども2人だった場合は8000万円までが控除されるので、遺産総額が7500万円だったとした場合は申告する必要がなくなります。また、同じ状況で遺産総額が2億円だったとすると、そこから8000万円を控除して、1億2000万円までが税金の対象になります。

 ところが、2015年からは基礎控除額が『3000万円+600万円×相続人の数』になります。これは計算すると、控除額が4割少なくなることになります。

―― これは相当大きな額ですよね。

落合 そうなんですよ。だから、これまで納税の申請をする必要がなかった方々が、今度は納税をしないといけなくなる可能性があるんです。実はそもそも相続税を納税しなければいけない家庭ってそんなに多くなくて、東京近郊で納税対象になる人って15%くらいなんです。ただ、その数が再来年から2倍以上になると思います。

―― ほかにはどのような点が変わるのですか?

落合 相続税の税率が上がります。現状の最高税率は50%ですが、これが55%になりますね。

―― 具体的にはどんな人にその税率が課せられるのでしょうか。

落合 これは特に資産家の方々です。本書の27ページで現在の税率と改正後の税率の表を掲載したのですが、それを見ていくと、現状では法定相続人の取得金額が3億円を超えると50%の税率が課せられることになっています。3億以上であれば幾らでも50%ですが、改正後では、法定相続人の取得金額が6億円を超えると55%になります。

 ここで注意して欲しいのは、遺産が6億円ではなく、法定相続人の取得金額が6億円超というところです。だから、10億円くらい財産がある人が対象になります。

 また、ほかにも法定相続人の取得金額が2億円〜3億円の方々も税率が増えることになります。この辺の計算式などは分かりにくい部分があるので、本を読みながら理解してもらえるとうれしいです。

 今回の改正はダブルパンチなんです。基礎控除額が減り、ある程度の資産家は税率が上がるという。

―― なるほど。でも、国はどこまでお金を持っていくんだ! という気にもなりますね。

落合 お金を持っている人に多く納税してもらおう、ということなんでしょうね。また、本書の39ページには実際にどの程度、相続税の総額が増えるのかという表を載せていますが、例えば3億円の資産があり、妻と子ども2人がいる方であれば、現状だと総額で4600万円増える計算です。これが2015年からは、5720万円となり、1000万円以上増えることになります。この場合、配偶者の奥さんが法定相続分を引き継げば、控除される部分もあるのですが、それでも最低500万円以上は増えてしまいます。

―― この表を見ると、本当に増えるんだと思いますね。

落合 今の相続税って、相談に乗っていると「思ったよりも掛からないですね」といわれることが多いんです。何千万も取られるかと思ったら、数百万円でした、とか。ただ、再来年からは、思った以上にかかってしまったというケースが増えてくると思います。

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