インタビュー
» 2013年07月10日 14時30分 UPDATE

世界初の快挙を成し遂げた経営者の素顔とは? (1/3)

不可能とされていたミドリムシの食用屋外大量培養を世界で初めて成功させた出雲氏。そのユニークな経歴を明かすインタビューをお届けします。

[新刊JP]
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 『すべてが見えてくる飛躍の法則』(アスペクト/刊)の著者である石原明さんの対談連載“人称対談”第三回となる今回は、株式会社ユーグレナの代表取締役社長である出雲充氏をお迎えした。

 ユーグレナはミドリムシの学名。ミドリムシは栄養素が豊富なことから食用としても期待されているほか、プラスチックの生成やバイオ燃料、医療技術まで幅広く使われる、奇跡の微生物。出雲氏は、それまで不可能とされていたミドリムシの食用屋外大量培養を世界ではじめて成功させ、製品化、事業を展開している。

 今回は、そんな出雲氏のユニークな経歴について、石原さんが深く切り込んでいく。

(以下敬称略)

ミドリムシへの執念が世界初の快挙を生む

fhfigsj444.jpg 世界初の快挙を成し遂げた経営者の素顔とは?

石原 まず、ミドリムシを使ったビジネスをしようという出雲さんの斬新な発想に驚きました。でも、ミドリムシはとてつもない可能性を秘めた微生物で、近い将来、社会を変えてしまうかもしれないすごい存在なんですよね。

 もともと社会人になる前からそういったビジネスへの嗅覚みたいなものを持っていらっしゃったんですか?

出雲 いえ、そうではないですね。多摩ニュータウンに育った普通の子どもでした(笑)。普通の核家族で父親はサラリーマン、周囲にはもちろん経営者もいないし、資産家もいなかったですから、ビジネスというものに触れる機会もなかったです。

石原 じゃあ、今、こうして社長をされているのは……。

出雲 当時から考えれば、まさに想定外ですよ(笑)

石原 でも、その中で上場されたのだから、ビジネスの才覚があったとしか思えませんよ(笑)

出雲 わたしの性格的な部分もあるかもしれませんね。負けず嫌いとよく言われるのですが、実はそうではないんです。他人に負けることはあまり気にしていません。ただ、最初から不可能だとか、無理といわれるとカチンとくるんですよ。

石原 ミドリムシの屋外大量培養もそもそも不可能といわれていましたからね。

出雲 そうなんですが、不可能であるということも実証されていないんです。なのに、無理だ、不可能だと決めつけられる。そんな不快なことはないですよ。

石原 そこから培養を成功させてしまったのは本当にすごいことだと思います。それで、出雲さんは大学卒業後に一度銀行に就職されるのですが、銀行に一度就職された出雲さんの片腕となる方がずっと研究開発を進めていらっしゃったそうですね。

出雲 そうなんです。鈴木という人物なのですが、彼はすごいヤツです。わたしが銀行に勤めていたころは、毎日夜と土日に鈴木の家に行ってずっとミドリムシの話をしていたんです。それで、全然ミドリムシが増えていないじゃないかとポテチを食べながらハッパをかけていたんです(笑)

石原 ポテチを食べながらですか(笑)。でも、非常に面白いですよね。恐らく鈴木さんは、出雲さんのそういった声がなければ、ミドリムシの屋外大量培養を成功させるのは難しかっただろうし、もし培養に成功できても、実用化に結びつかなかったと思います。

出雲 そうなんでしょうかね(笑)。でも、今でも会社内で一番仲良いのは鈴木ですね。弟みたいな存在です。彼はよく研究を続けられたと思います。

石原 今はどのような体制でユーグレナという会社を経営しているのですか?

出雲 わたしを含めて5人、取締役がいるのですが、わたし以外全員専門分野を持っています。毎週行っている経営会議では、わたし以外の4人がそれぞれ自分の担当分野から課題と解決策を出して、わたしが最終的な意思決定を行っています。

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