タブレットオーナー、低価格の電子新聞を要求

Simon-Kucher & Partnersが電子読書と新聞購読の習慣について米国人タブレットオーナー1000人に調査したところ、興味深い幾つかの結果が出た。

» 2013年07月01日 14時00分 公開
[Michael Kozlowski,Good e-Reader Blog]
Good E-Reader

 Simon-Kucher & Partnersが手掛けた新たなレポートは米国人タブレットオーナー1000人の電子読書および新聞購読の習慣に切り込んでいる。調査で最も妥当だった点の1つは回答者の72%が少なくとも新聞アプリを1つダウンロードしており、80%が毎月15ドルの購読料は高すぎるとしたことだ。

 多くの新聞社はアプリを利用して各号販売と電子購読へのサインアップを促進しており、さまざまな特典を提供している。The New York TimesとTelegraphは購読料として毎月15ドルを請求するが、Financial Timesはフルアクセスする場合、それが50ドルにものぼる。The Wall Street Journal、Washington Post、Boston Globe、Sanfrancisco Chronicleは毎月の購読料も電子版を購読した場合の特典もさまざまだ。そこには何の基準もないように感じられ、タブレットオーナーの関心を失わせる原因となっている。

 「The New York TimesやThe Wall Street Journalといった第一線の新聞社は全国の潜在読者に働きかけるためにアプリを利用し、最も高価値の消費者にターゲットを絞ることで生き残るための準備ができています」とSimon-Kucherのパートナー、アンドレ・ウェバー氏。「しかし、地方紙と地元紙には規模の利点がないのでより厳しい戦いになっています」とも。

 ウェバー氏は続けて「ほとんどの出版物は電子プラットフォーム上で提供すべきものの完全な価値について今のところ認識していません。アプリに金を払う消費者を納得させるために商品提供と価値伝達の改善を行う必要があります」と話した。

 レポートの中で回答者の80%に非常に反響が大きかった戦略が1つある。新聞のコンテンツをバラバラにし、スポーツ・ビジネス・テクノロジー・書評など各セクションへのアクセスを販売する戦略だ。「音楽業界はフルアルバムを販売する傍ら、1曲ずつでも販売を行うようにはじめてプレッシャーを受けました。現在、ケーブルテレビ業界もチャンネルをアラカルト方式で販売するようプレッシャーを受けています。新聞業界が次のターゲットになりそうです」。

Copyright© 2015 Good E-Reader. All rights reserved.

(翻訳責任について)
この記事はGood E-Readerとの合意の下でアイティメディアが翻訳したものです。翻訳責任はアイティメディアにあります。記事内容に関するお問い合わせは、アイティメディアまでお願いいたします。