2012年度の電子書籍市場全体は729億円――2017年度に2400億円規模電子書籍ビジネス調査報告書2013

インターネットメディア総合研究所がまとめた「電子書籍ビジネス調査報告書2013」によると、2012年度の電子書籍市場規模は729億円で、これまで市場の中心だったケータイコミック市場は構成比で半分以下になった。

» 2013年06月27日 15時58分 公開
[西尾泰三,ITmedia]
電子書籍市場規模の推移 電子書籍市場規模の推移(出典:インプレスビジネスメディア『電子書籍ビジネス調査報告書2013』)

 インターネットメディア総合研究所は6月27日、電子書籍に関する市場規模の推計結果を「電子書籍ビジネス調査報告書2013」としてまとめ、そのハイライトを発表した。同レポートは7月18日に発売予定。

 同レポートによると、2012年度の電子書籍市場規模は対前年比15.9%増、金額にして100億円増加した729億円。このうち、AmazonのKindleなどに代表される新たなプラットフォーム向け電子書籍市場は対前年比228.6%増の368億円で、これまで同市場をけん引してきたフィーチャーフォン向け電子書籍市場(ケータイコミック市場)の351億円(対前年26.9%減)を逆転、2010年度から2011年度で一時的に落ち込んだ電子書籍市場規模は再び拡大基調へ転じたとまとめている。

 こうした成長の要因としては、スマートフォンやタブレットユーザーの増加や、楽天Kobo、米Amazon.comなど海外事業者の参入による一般消費者への認知促進、コミックを中心としたタイトル拡充などが挙げられているが、ケータイ向け電子書籍のノウハウを生かしたライトユーザー向けの電子書店も好調をキープしているという。

 2013年度以降もこの傾向のまま拡大し、2017年度には2390億円程度まで拡大、電子雑誌やマイクロコンテンツなどの市場規模予測(2017年度で330億円程度)とあわせた電子出版市場は2720億円程度と予想している。

電子書籍市場の内訳と電子出版市場規模の推移(出典:インプレスビジネスメディア『電子書籍ビジネス調査報告書2013』)

 1年前の調査報告書と比べると今回の数字は全体として2%程度上振れした数字となっているが、電子雑誌の市場規模は前回予測より引き下げられている。

 なお、出版科学研究所が1月に発表している2012年度の書籍・雑誌の推定販売金額は1兆7398億円

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