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» 2013年06月26日 15時50分 UPDATE

資格を取ったのに食べていけない「士業の現実」

「取っておけば食いっぱぐれがない」と言われていた士業の資格。しかし、今やそれらの資格を持っているというだけでは食べていけないと言います。そんな中でも生き抜いていくための方法を税理士の原尚美さんの著書から紹介します。

[新刊JP]
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 公認会計士、税理士、弁護士など、俗にいう「士業」の資格は今も昔も人気です。「取っておけば食いっぱぐれがない」というのがその理由ですが、残念ながらその時代は終わったと語るのが、税理士の原尚美さん。

 原さんは、著書『一生食っていくための「士業」の営業術』(中経出版/刊)で、現代の「士業」の苦しい実情を明かし、それでも生き抜いていくための方法を示しています。

「士業」の仕事が異業種に食われている

fhfigsj406.jpg 資格を取ったのに食べていけない「士業の現実」

 税理士を例に挙げると、かつては「お金周りのことは全部、税理士にまかせる」と無条件に仕事を依頼してくれる顧客が多かったといいます。つまり、「税金の計算をする」という、税理士の本分以外の「給料計算」や「決算書作成」といった周辺業務も丸ごと税理士に依頼してくれていたのです。

 しかし、今はそうではありません。これらの周辺業務をより安い価格で請け負う異業種が参入してきたため、税理士の元には「税金の計算」の仕事しか回ってこないようになってきているのです。

 「税金の計算」はどの税理士に頼んでも大差はありません。そうなると、どうしても「値引き」で勝負せざるを得ず、結果同業者同士で価格競争になってしまいます。

 同じようなことはほかの士業でも起こっています。これが、士業が食べていけなくなっている大きな原因なのです。

稼げる士業になるためには?

 では、価格競争に巻き込まれないためにはどうすればいいのでしょうか。原さんはそのポイントとして、業務ごとの料金体系を決めることを挙げています。

 ほとんどのビジネスでは、商品の価格を決めることなど当たり前のことですが、士業においてはそうでない部分もあります。例えば士業者が企業と顧問契約を結ぶ時の「顧問契約料」は基本的にどんぶり勘定です。つまり「言い値」で価格設定できることが多かったわけで、この点がこれまでの士業ビジネスの恵まれた点でした。

 ただ、これは同業者同士で値引き合戦になるリスクも孕みます。お客さんが納得してお金を払うことができ、なおかつ不当な価格競争を避けるという意味でも、業務ごとに細かく料金を設定することは、士業には欠かせないのです。

安易にフリー戦略を使わない

 最近、無料のサービスを提供する一方で、別の仕組みからお金に還元する「フリー戦略」を採用している企業がよく見られます。士業も例外ではなく、「初回無料相談」や「最初の1年は顧問料無料」を売り文句にすることが増えて、「無料でどこまでいい商品を提供できるか」という競争が起こってしまっていると原さんは言います。

 ビジネスとして考えると、この状態は効率がいいとはいえません。そもそも、「フリー戦略」とは、その先の「利益が出る仕組み」があってはじめて機能します。その仕組みがないまま、ただ無料の仕事をしていても、結局は安売り競争になってしまうだけなのです。

 とはいえ、士業者として最も大切なのは、顧客の信頼を得て、固定客を作っていくことです。そのためには徹底的に顧客目線で考え、顧客の期待に応えていかなければなりません。不当な価格競争を防ぐのはそれらができてこそのことだというのは覚えておくべきでしょう。

 本書は、現役の税理士が、士業として「食べていく」ためのマーケティングの手法を説いているという意味で、多くの士業者にとって貴重なはず。資格を取って独立したものの顧客がつかないという人はもちろん、資格試験に向けて勉強中の人も、今のうちから始業としてお金を稼いでいくノウハウを身につけておくことで、役立つことは多いはずです。

(新刊JP編集部)

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