紀伊國屋書店「Kinoppy」から電子書籍を不正に入手で2名逮捕

偽の決済情報を送信するアプリを用い、紀伊國屋書店「Kinoppy」から電子書籍を不正に入手したとして、2名が電子計算機使用詐欺容疑で逮捕された。

» 2013年06月05日 13時52分 公開
[ITmedia]

 警視庁サイバー犯罪対策課は6月3日までに、紀伊國屋書店が運営する電子書籍サイト「Kinoppy」から、電子書籍を不正に入手した電子計算機使用詐欺容疑で、長崎県島原市宮の町の団体職員狩野貴仁(33)および大阪府豊中市東豊中町の会社員菊沢秀和(41)を逮捕した。不正アプリを使った電子計算機使用詐欺事件の摘発は全国初という。

 狩野容疑者は2012年8月28日、同書店の提供する書籍販売システムに、支払いが完了したとする虚偽の情報を送信し、電子書籍計187点(約15万6000円相当)を不正に入手した疑い。菊沢容疑者は2012年10月16〜19日、同様に計72点(約4万9000円相当)を不正に入手した疑い。

 手口としては、AppleのiOS搭載端末で非公式のアプリケーションを利用できるよういわゆる「脱獄(Jailbreak)」を行った上で、偽の決済情報を送信するアプリを利用し、Kinoppyでの電子書籍の決済に関する虚偽の情報を送信、実際には代金を支払うことなく不正に電子書籍を入手したもの。紀伊國屋書店では2012年11月の段階でこうしたアプリを利用した不正購入が行えないようシステムを改修済みで、同社サービスを利用するユーザーの個人情報などの流出・漏えいも生じていないとアナウンスしている。

 2012年6〜11月の間に不正な入手が確認された利用者IDは約160人分、被害額は総額で2170万円(書籍約3万6000点)に上るという。

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