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» 2013年05月29日 12時52分 UPDATE

山本昌が毎年フォームを変えるワケ

性格的な共通点はないが、どこか「似ている」といわれる2人のベテラン野球選手。そんな彼らが厳しいプロ野球の世界で第一線に立ち続けるための心技体について語る書籍を紹介します。

[新刊JP]
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 2013年4月15日の日本ハム戦で、自身の持つプロ野球最年長先発登板とセ・リーグ最年長登板・最年長勝利記録を47歳9カ月に延ばした中日ドラゴンズの山本昌投手。

fhfigsj330.jpg 山本昌が毎年フォームを変えるワケ

 投手としての最年長記録を投げるたびに更新しつづける山本投手だが、十分に休養を与えながら起用するというチームの方針もあり、ここまで目立った衰えを見せていない。20代・30代引退する選手も多いプロ野球の世界で、なぜここまで現役を続けることができるのだろうか。

 『進化』(あさ出版/刊)で、山本投手は、同じく40代になってもなお現役選手であり続けるチームメイトの山崎武司選手(編注:機種依存文字のため山崎と表記しています)とともに、厳しいプロ野球の世界で第一線に立ち続けるための心技体について語っている。

「変えちゃいけないところ」が分かればほかはどんどん変える

 プロ野球選手としての長いキャリアを持ち、結果を残し続けているにもかかわらず、山本投手は毎年のように投球フォームを変えている。普通なら、実績を積むと自分の型から離れられなくなるところだが、彼には何歳になっても新しいものを取り入れる柔軟性があるのだ。

 しかし、1カ所だけ、グラブを持つ右手の使い方は絶対に変えないという。そこが自分の投球をするための最も重要なポイントだと把握しているからこそ、後の部分には大胆に手を入れることができるのである。

 わたしたちはともすると人の意見をどの程度受け入れるかで悩みがちだが、「絶対に変えない部分」を一つだけ決めることで、人から勧められた方法や人の意見を柔軟に行動に移せるのかもしれない。

特別扱いに甘んじない

 ベテランになればなるほど、組織の中に自分の居場所が確保されているのが当たり前のように思えてくる。そんな状態に慣れると自分自身への厳しい目が失われ、ともすると現状維持の「ぬるま湯」に浸かってしまいかねない。

 しかし、山崎選手はそこに安住することを嫌うという。大ベテランということで球団や監督、コーチから気を使われる立場だが、その扱いに慣れてしまっては若手の士気を下げてしまい、若手の士気が下がればチームは強くならない。

 それが分かっているから、山崎選手は成績が出なくても、二軍に落とされても、腐らずに練習を続けられるのだ。

 互いを、

 「若手にも口でしっかり説明できるのは自分にはない長所」(山本投手)

 「まったく違う性格だけど、年を取って“山本さんに似てる”といわれるようになった」(山崎選手)

 と語るように、もともと2人に性格的な共通点は少なく、本書に綴られているそれぞれの意見も、どちらかというと反対なのが面白い。40代になってもなお、現役の第一線で活躍を続ける2人だが、長く現役を続けてこれたのはそれぞれが自分なりのやり方で真摯(しんし)に野球に向き合ってきた結果であり、そこに正解はないのだろう。

 『進化』は早くも若手選手のバイブルになっているという。日々の継続が未来を決めるのは、プロ野球選手だけでなくわたしたちも同じ。その意味では彼らの考え方から学ぶものは多いはずだ。

 「仕事で成功された方、悩んでいる方、いろいろといると思いますが、僕らも同じなので少しでもヒントになればいいなと思います」(山本投手)

 「子どもたちも読んでほしいね」(山崎選手)

(新刊JP編集部)

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