出版業界ニュースフラッシュ 2013年5月第4週

出版業界で先週起こった出来事をまとめてお届けする週刊連載。5月第4週は、小学館や日販の決算が発表されました。

» 2013年05月27日 17時30分 公開
[新文化通信社]
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小学館決算、最終利益が5期ぶり黒字に

 5月23日、東京・一ツ橋の本社で株主総会および取締役会を行い、第75期(平成24年3月1日〜同25年2月28日)決算と役員人事を決めた。

 売上高1064億6600万円(前年比1.4%減)、経常利益16億4900万円(同5.4%減)、当期純利益12億8200万円(前期は1億4400万円の損失)。営業利益は未公開。最終利益は2008年以来、5期ぶりに黒字となった。

 売上高の内訳は、「雑誌」611億1700万円(同3.3%減)、「書籍」179億9400万円(同8.5%減)、「広告」136億7500万円(同4.5%増)、「その他」136億8000万円(同13.6%増)。

 役員人事は、小室登志和氏が取締役に新任。総務局、法務、知財局を担当する。早川三雄常務と篠田孝夫取締役は退任、早川氏は社長室顧問に就いた。

新潮社、「新潮ミステリー大賞」創設

 5月22日、同社が発表した。公募による新人賞で、応募資格はプロアマ問わない。募集する作品はストーリー性豊かな、広義のミステリー小説。

 東映が後援し、受賞作、最終候補作の映像化も積極的に進める。選考委員は伊坂幸太郎、貴志祐介、道尾秀介の3氏。受賞作の発表は2014年7月末を予定。「小説新潮」10月号の誌上で選考経過を発表する。

日販連結決算、増収減益に

 5月21日、日販懇話会で平林彰社長が第65期(平成24年4月1日〜同25年3月31日)の連結決算について、「売上高7044億円で増収したが、経常・当期利益は減益だった」と概要を報告した。

 また、2014年度までの目標である「書店マージン30%」の実現に向けて、今期66期は「返品減少と売上げ拡大」によって0.9%、高粗利商品の「ハイプロフィット企画」の取扱いによって1.0%のアップを目指す。14年度にはこれを各2%ずつアップさせて最終目標を達成する考えを掲げた。

 仕入れについては「取次の配本から書店の意思による仕入れに変える」ことを目指す。注文は「サポートC」「リリーフA」、新刊の申込みは「アドバンスMD」の活用を促し、書店を支援する。平林社長は「ハイプロフィット企画を店頭売上げの3割まで拡大していきたい」とし、「祭」についても継続して行い、書店の買上げ客数を増加させ、売上げ拡大に注力していくと話した。このあと、安西浩和・吉川英作両専務が仕入れと営業戦略をより具体的に示した。

 なお、売上高については、昨期の中間決算から「売上割戻」を差し引いて算出している。

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