Amazon、Liquavistaカラー電子ペーパーの買収を認める

Samsungが2011年に買収しながら、有益な成果を出すことができなかったLiquavistaのカラー電子ペーパーだが、AmazonがLiquavistaを買収したことで、再び市場の興味を集めそうだ。

» 2013年05月15日 15時30分 公開
[Michael Kozlowski,Good e-Reader Blog]
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 Samsungは2011年の買収以来、Liquavistaのカラー電子ペーパーにはほとんど手を付けず、代わりにタブレットとスマートフォンのディスプレイに注力してきた。同社は過去2年間、ほかの企業への売却を積極的に図ってきたが、これに関心を示す企業はほとんどなかった。しかし米Amazonは5月13日(現地時間)、Liquavistaのカラー電子ペーパー技術を買収したことを認めた。私たちは近いうちに真のカラー電子書籍リーダーを目にすることになりそうだ。

 筆者は1年ほど前、Liquavistaの営業部長カート・ピーターズドーフ氏と話し、Liquavistaの電子ペーパーとE Ink製品との違いを理解した。

 エレクトロウェッティング(液滴駆動)技術の要点は高い汎用性にある。製造の観点からすると、既存のLCD工場がエレクトロウェッティングを製造プロセスに取り込むことは難しくない。スクリーンを製造する全体的な手順は変わらないが、液晶の代わりの充填物を利用する点が違う。

 Liquavistaが持つ技術の最大の利点の1つは柔軟性、つまりより丈夫なことだ。これは露Wexlerの「Flex ONE」に搭載されている韓国LG電子の電子ペーパーディスプレイと同タイプのものだ。iPadやiPhoneを落としたことがあれば、LCDガラスの柔軟性があまりにも低く、簡単に壊れることをよく知っているはずだ。

 Amazonはメールでこの買収について認め、以下のように述べている。

われわれは長期間、製品に適用できる可能性のある新技術を求めてきました。Liquavistaチームは創意に対するわれわれの情熱を共有しており、多くの可能性を持つエキサイティングな技術を開発しています。まだ生まれてから間もないですがその可能性に興奮しており、これらのディスプレイをLiquavistaとともに開発するのを待ち望んでいます

 以下の動画ではSamsungとLiquavistaが電子書籍業界とエレクトロウェッティング技術で何ができるのかを語っている。Amazon新製品のうわさが勢いを増すのが不可避になるにつれ、この新技術のニュースを今後数カ月以内に耳にするようになるだろう。

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