ソニー、フロントライト付き電子書籍リーダーに抵抗感を示す

ソニーが近い将来投入するとみられる電子書籍リーダー端末は、どのような特徴を備えるのだろうか。業界のトレンドとなっているフロントライトの搭載には消極的なようだ。

» 2013年04月17日 13時50分 公開
[Michael Kozlowski,Good e-Reader Blog]
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 ソニーの次世代電子書籍リーダー「PRS-T3」がKindle Paperwhiteやkobo gloと同じタイプのフロントライトを搭載すると期待していると、がっかりするかもしれない。つい最近、ソニーは次世代電子書籍リーダーにフロントライトを搭載するアイデアに強い抵抗感があると公表した。

 ソニーフランスのグループIT部長、ステファニー・ラング氏は最近のインタビューで「側面にライトを搭載するのは必ずしも有益ではなく、読書体験を悪化させるかもしれません。従来の紙書籍での読書体験とはかけ離れています。ライトを搭載したカバーを付属させた方が有益かもしれないと考えています」と述べた。

 フロントライト付きディスプレイに対する同社の抵抗感は「PRS-700」から派生している。ソニーは2008年、側面にライトが搭載されたディスプレイを持つ非常にひどいリーダーをリリースした。この経験がフロントライト付きディスプレイのコンセプトに対する嫌悪感を呼んでいるとラング氏。「読書用ライトは紙書籍に近い読書体験を追求する読書家向けのもので、その体験を変えてしまうと結論付けました。そこで紙書籍にはない読書体験の快適さを向上させるフォントサイズの拡大機能のような部分に注力したのです」。

 同氏は続けて「わたしたちの研究では、電子書籍リーダーにライティングシステムを統合しても、それがデバイスを選択する上での基準にはならないことが明らかになりました。人気のある機能ですが、それだけです。わたしたちは高度に効率的なデバイスを提供するために内蔵型読書用ライト以外の部分に集中したいですし、それ故、ライトはオプションで提供します。これがわれわれの判断です」と語った。

 少なくともソニーの欧州戦略に通じたソニーの中心的なスポークスマンの1人は、同社がフロントライト付き電子書籍リーダーをリリースすることはないと言っているようだ。同社の電子書籍ビジネスの全体的戦略を示唆するものではないだろうが、ライトをオプションで追加せず暗がりで読書したい人にとっては良くない前兆だ。

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