出版業界で先週起こった出来事をまとめてお届けする週刊連載。4月第2週は、村上春樹氏の新刊発売、「小林秀雄 最後の日々」を特集した新潮社『考える人』の重版状況などが話題になりました。
講談社は4月11、12日の両日、上下巻合わせて20万部(22刷)の増刷を決定し、計100万部を突破した。初版は各3万部だったが、4月9日に本屋大賞受賞をうけ32万部の増刷を行っていた。
上巻52万1000部、下巻47万9000部。
4月12日、村上春樹氏の新刊『色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年』(文藝春秋)が刊行され、深夜0時から販売を開始した書店では行列ができた。
代官山蔦屋書店では140人以上が列をなし、2時間で300冊超を販売。同店では、前日午後11時から福田和也氏を招いたカウントダウンイベントも行われ、熱気に包まれた。
山下書店渋谷南口店でも、同0時前から15人ほどの行列ができ、午前9時半までに初回仕入分140冊が完売した。三省堂書店神保町本店は、開店時間を3時間早め、午前7時から来店客に対応。正面入り口には「タワー積み」で陳列した。午後2時時点で700冊売れたことを受け、500冊を追加注文した。
品切れ店が続出していた季刊誌『考える人』2013年春号の重版6000部が、4月19日取次に搬入される。没後30年を機に「小林秀雄 最後の日々」を特集した同号。河上徹太郎と対談をCDにして付け、初版2万部がほぼ完売。読者の反響は高かったが、重版はCD作成に時間を要していた。
Copyright 2015 新文化通信社 All Rights Reserved.