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» 2013年04月08日 16時59分 UPDATE

大橋巨泉が明かす「巨泉流・人生の選択」

人気絶頂時に突如「セミリタイヤ」を宣言し、第二の人生を歩み出した大橋巨泉さん。同氏の“第二の人生”から導き出されたハッピーリタイアメントの秘訣(ひけつ)を語った書籍が刊行された。

[ITmedia]

 『11PM』『クイズダービー』『世界まるごとHOWマッチ』など1960年代から1980年代にかけて放送されたテレビ番組の人気司会者として知られる大橋巨泉氏。人気絶頂だった1990年、50歳代半ばにして、突然「セミリタイヤ」を宣言。以降はカナダ、オーストラリア、ニュージーランド、日本といった国々を生活の拠点とする悠々自適な生活を送っている。

 3月には79歳の誕生日を迎えた氏が、「第二の人生」をテーマに、「人生哲学」「老後資金」「パートナー」「家族計画」「居住場所」「趣味」など10テーマについて語った『大橋巨泉「第二の人生」これが正解! 人生80年時代「後半生」を楽しく生きるための10の選択』が小学館から紙と電子で同時発売された。紙書籍は1365円(税込み)、電子版は4月中は350円で販売される。

 氏が本書に込めた「巨泉流・人生の選択」について、本人に聞いた(取材・写真は小学館)。

後半生の第二の人生が一番大事

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―― 今回、巨泉さんがこの作品を出すことになったきっかけを教えてください。

巨泉 1990年の春、『ボクはセミリタイアします!』と宣言し、一線から身を引いて、第二の人生を歩み出しました。おかげさまで、健康で楽しい毎日を送っています。

 セミリタイアという考え方を伝えてきた者として、ボクの責任感から機会があるごとに、セミリタイア生活については語ってきました。しかし、20世紀が21世紀になり、時代は大きく変わってしまいました。当時、ボクが言っていたことだけでは、ハッピーなリタイアメントは難しい時代になってしまったということです。

 だから時代の変化を受けとめて、これからの時代にあったリタイアメントの準備、心構え、生活などを修正してまとめておきたいな、と思っていたところ、この企画が周知の編集者から持ち込まれたわけです。

―― この23年間、巨泉さんが「第二の人生」を生きてきた中で何が大きく変わったと感じますか?

巨泉 大きくは変わっていません。強いて言えば、南半球での生活の基盤が、温暖化の影響でオーストラリアからニュージーランドに変わったぐらいですね。目まぐるしい変化といったら、世界中で進むグローバル化とテクノロジーの進化には、注目しています。これからもっと世界を変えていくと思います。

 またボクがセミリタイアしたころと違って、長引く不況も否めませんね。当時はバブルがはじけたころでしたが、今と比べれば充分、景気は良かったですから。

 ボク個人でいうと、つい先日79歳になりました。実はこんなに長生きするとは思っていなかったですね。ボクの若いころは人生65年ぐらいが常識でした。そう思ったからボクは56歳でセミリタイア生活に入り、第二の人生をスタートしたわけです。ところが元気に楽しい毎日が送られています。本当に長寿社会になってしまいましたね、これが一番の変化かもしれません。同時に、医学は日進月歩で進化しています。長生きしていたら医学が追いついてきました。そのおかげで、右目なんか100倍見えるようになりましたしね。

―― 「第二の人生」とは何年ぐらいあるのでしょうか?

巨泉 それは人それぞれです。今や人生80年時代です。人によっては90年時代だってあります。20歳までが子供として、残りは60年あります。50歳で第二の人生をスタートとする人は30年、60歳なら20年、65歳なら15年あることになります。その時間を、いかに自由にハッピーに生きるか。つまり、パートナーとふたりでひとつの人生を作っていくのが第二の人生なんです。

―― 「第一の人生」と「第二の人生」は何が違うと思いますか?

巨泉 多くの人は、たまたま受かった大学に行き、たまたま入った会社で仕事をし、定年をむかえ第一の人生を終えるわけです。第一の人生は、自分だけではどうにもならないことが多いと思います。

 ですからボクは、『後半生の第二の人生が一番大事だよ』とずっと言ってきました。人生で一番、自由で楽しいのが「第二の人生」です。そのために生きてきた、とも思います。だから一と二ではまるで違います。

 欧米人には“リタイアメント”という考え方があります。できるだけ早くリタイアできた人間が尊敬されます。後半生の人生は、自分とパートナーと、自由に楽しく思うままに生きていこうとする考え方です。

 ボクは若いころにそのフィロソフィーを知って、一生懸命に働く一方、いろいろな準備しました。だから今の幸せな毎日があると思います。

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―― 今回の作品では電子書籍をほぼ同時に出版をするそうですが?

巨泉 北米に住む友人たちが、電子書籍端末についていろいろ話していたことがありました。みんな電子書籍を買って喜んでいました。『文字が大きく見えていいよ、電子書籍が簡単に買えていいよ』とボクに勧めてくるのですが、ボクにはちょっとなあとちゅうちょしていました。ボクは海外生活が多いので、PCは欠かせない生活をしています。ですが、電子書籍端末については、ちょっとね。根本的にはアナログ人間だし、紙の本が好きですからね。

 ところが、初めてKindleに触れてみて驚きました。こういう出版のスタイルもあるんだなあと感心しました。紙で読む人は紙、電子で読む人は電子、たぶんそういう時代がやって来たんだなあ、と直感しました。担当編集者と相談の上、紙と電子をほぼ同時で出してみよう、と決めました。ひとりでも多くの読者に届いてくれれば幸いです。

―― 電子書籍の価格についてはどうお考えですか?

巨泉 もちろん紙の本だって、できるだけ安い方がいいと思います。しかし、そもそも紙の値段が高いからそう安くできない、仕方ないですよね。電子書籍の場合、もっともっと安くていいと思います。この本の場合、電子版の定価を500円にしたのも、文庫ぐらいの値段がちょうどいいように思ったからです。

―― これからの電子書籍はどうなると思いますか?

巨泉 それはボクにはまだ分からないですね。技術の進歩次第で、紙の本とは違う面白いものになる可能性だってあります。もしかしたら、一過性のもので消えていくことだってあるかもしれません。

―― 本の中で「人生100歳時代がやってくるかもしれない」と書かれていますが?

巨泉 長寿高齢化の事実をボクなりに分析した結果です。でも本当にそういう時代が来るかもしれません。長生きできるなら、それだけ楽しみも多くなるはずです。

 インターネットにしても、パソコン、最近では電子書籍端末のKindleしかり。ボクはそれを楽しんでいますが、石原裕次郎も勝新太郎も、そういうモノを知らないで天国へ逝ってしまいました。ボクはラッキーにも、それらを楽しむことができています。生きている間に、できるだけ楽しんで、もっともっといろいろ経験してみたいですね。まずそのためには、健康でいることですよね.

―― ありがとうございました!



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