出版業界ニュースフラッシュ 2013年3月第2週

出版業界で起こった出来事をまとめてお届けする週刊連載。先週は書協・雑協・取協・日書連の出版4団体が出版物への軽減税率を要望するなどの動きがありました。

» 2013年03月11日 12時00分 公開
[新文化通信社]
新文化通信社

出版4団体、出版物に対する消費増税の軽減税率を要望する共同声明発表

 書協・雑協・取協・日書連の出版4団体は3月8日、連名で「文化を支える出版物に軽減税率が必要です」と題した共同声明を発表した。

 声明では国民が平等に書籍・雑誌・新聞といった出版物に触れることは民主主義の発展に不可欠とし、国民の負担軽減のためにも軽減税率の適用が必要と訴えた。また、逆進性がある消費増税が将来を担う青少年層に悪影響を及ぼし、子どもの読書機会を奪う結果になることも懸念した。

書協、樋渡啓祐武雄市長に質問書送付

 3月4日付けで質問書を送った。内容は、武雄市図書館の運営について、指定管理事業者のカルチュア・コンビニエンス・クラブが書店を併営する件と、Tポイントカードを貸出カードと併用する件について質した。

 地元書店の公募機会の有無や、Tポイントカードで貯まったポイントを、他の加盟店で利用する際の、利益誘導の見方も示し、著作権法第38条第4項の「非営利無償の貸与」に関する考え方などについて回答を求めている。

 書協によると、現在までに、武雄市図書館からの返答は来ていないという。

日本製紙、印刷用紙を約15%値上げへ

 4月21日出荷分から、1キロ当たり15円値上げする。同社によれば、印刷用紙の取引価格は現在1kgあたりおよそ90〜100円。今回の値上げ率は15〜16%程度となる。対象品種は上質紙、上質コート紙、軽量コート紙、微塗工紙の市況品。

 東日本大震災以降、欧州や中国などの輸入紙が急増し、市場価格の下落が進行。急速な収益悪化から、値上げを余儀なくされたという。

角川書店、第1回「角川つばさ文庫小説賞」受賞作を発表

 3月1日、一般部門とこども部門の受賞作品を発表した。

 一般部門は大賞に床丸迷人氏「四年霊組こわいもの係」が選ばれ、金賞と銀賞は該当作なしとなった。、応募総数は265作品。大賞受賞作は今秋刊行予定。

 一方、こども部門では、グランプリがアイカ氏「ブタになったお姉ちゃん」、準グランプリは鈴木萌氏「伝えたいこと」と多田愛理氏「空模様の翼」がそれぞれ選出されたほか、6作品が特別賞、21作品が入賞作に決まった。応募総数は477作品。刊行は予定していない。

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