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» 2013年02月26日 14時39分 UPDATE

ショッピングセンターの通路に“カーブ”が多いワケ

「イオンレイクタウン」を含めさまざまな大型ショッピングセンターの仕掛けを作り出し、成功に導いている株式会社船場が、その独自の手法を明かした一冊を紹介。

[新刊JP]
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 物欲は限りなくあれど、この不況ではなかなか財布のひもをゆるめられない、というのは多くの人が実感しているところではないでしょうか。しかし、そんな中でも、あの東京ディズニーリゾートを超える数の集客をしているショッピングモールがあります。

fhfigsj133.jpg ショッピングセンターの通路に“カーブ”が多いワケ

 埼玉県越谷市の「イオンレイクタウン」の2011年の年間来場者数はなんと5000万人。これは、東京ディズニーリゾート(年間来場者数約2600万人)の倍近い数字です。これだけの消費者を集め、なおかつ飽きさせずに買い物をしてもらうためには、ただ巨大な商業施設を作るだけではいけません。

 『成功するSCを考えるひとたち』(栗山浩一/著、ダイヤモンド社/刊)は、「イオンレイクタウン」を含めさまざまな大型ショッピングセンターの仕掛けを作り出し、成功に導いている株式会社船場が、その独自の手法を明かした一冊。

 今回は本書の中から、その手法の一部を紹介します。行ったことのある大型ショッピングセンターの構造を思い出しながら読んでみると、その裏に隠された意図が納得できるかもしれません。

100メートルごとに休憩スポットを置いて消費者を休ませる

 大型のショッピングセンターを設計する際には、敷地の両サイドに2つの核となるテナントを配置し、その間をモールと呼ばれる専門店のテナントで結ぶのが一つのセオリーなのだそう。

 モールは全長1キロメートルにおよぶものもあるため、消費者にとってさまざまなテナントが並ぶモールを歩くのは、楽しいと同時に疲れることでもあります。そのため、約100メートルごとに休憩が取れるアメニティスポットやカフェを置くなど、「歩いても疲れない」工夫が必要なのです。

大型モールの端に家電量販店がある理由

 また、設計の段階で、「施設内に入った消費者をどう誘導するか」を計算しておくことも欠かせません。その際に重要なのは、モールに来た人がよどむことなく常に一定の方向に流れ続けることで、そのためには施設内に“突き当り”が存在しないことが望ましいのだそうです。しかし、現実にはさまざまな要因からそうはいかないことがほとんどです。

 前述のようにモールの両端に、家電量販店やファストファッション店など、核となる(=集客を見込める)施設を配置しているのは、人の流れが弱くなりがち(訪れる人が少なくなりがち)なモールの端を強化するためなのです。

消費者を歩かせる秘訣は「カーブ」

 来店した消費者にモール内を歩かせるための工夫はそれだけではありません。

 栗山さんは、多くのプロジェクトの場合、モールは単純な直線になっておらず、自分の前100メートルくらいが見通せるところで、あえてカーブを作っていると言います。

 あえてモールを曲線にすることで、歩いていくと徐々に先が見えてくる形となります。消費者はその先を見るために自然と足が進むというわけです。自分の意思で好きな場所に歩いていると思いきや、実は誘導されていたなんてびっくりですね。

 本書には、このほかにも大型ショッピングセンターの立ち上げから、オープンまでに仕込まれたアイデアや工夫の数々が紹介されています。なじみのあるショッピングセンターや商業施設を思い出しながら読むと、その緻密な設計とアイデアに誰もがうならされるはずです。

(新刊JP編集部)

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