新連載が『マーガレット』でスタート、その想いとは? 種村有菜さんインタビュー(2/3 ページ)

» 2013年02月05日 15時00分 公開
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女子高生×男子小学生。このコンビ、大丈夫?

―― 『猫と私の金曜日』のメインキャラクターは高校1年生の愛ちゃんと、相手役の男性である1つ上の芹沢先輩、それともう1人、愛ちゃんのいとこで小学5年生の猫太くんの3人です。この猫太くんのおませさんぶりと言いますか、大人びた感じが、読んでいて気持ち良かったです。

『猫と私の金曜日』のメインキャラクター

種村 あー、良かったです。わたしも愛ちゃんと猫太くんのコンビが描いていて一番気に入っているので(笑)。

 最近のわたしの連載は、長期のものが多かったので脇役に力を入れていた時期があったんです。でも、『マーガレット』で新しく連載を始めるということで、原点に立ち戻っておいしいところは全部、愛ちゃんと芹沢先輩と猫太くんにもっていってもらおう! と決めました。

―― でも、女子高生の主人公に相手が小学生の男の子というのは、これは賛否両論起こるのではないでしょうか?

種村 どうなんですかね(笑)。でも、この組み合わせって、少女マンガの世界では伝統的にあるものなので、自分が描けるかどうかはまだ分からないけれど、読むのはすごく好きなんです。だから、自分の中のモラルを保っていければ大丈夫かな、と(笑)。読者さんの反応が楽しみですね。

―― 猫太くんは、種村さんの中の小学生男子像を投影したキャラクターなのですか?

種村 そうではないですね。猫太くんは、気持ち的にはイケメンホストのつもりで描いていて(笑)、あまり小学生だと意識していないです。それで、たまに小学生っぽい片りんを出せればいいかな、と。普段は小学生っぽくないけど、『あ、そういえばこの子、小学生だった!』みたいな感じで。そういう部分で、小学生っていう設定は生かしたいですし、読者さんに意識してもらいたいなと思います。

―― 主人公3人のキャラクター作りで、気をつけた点を教えていただけますか?

種村 実は、芹沢先輩は最初、真面目なキャラクターだったんです。でも、どうしても人間ってバランスを取ってしまいがちで、猫太くんがチャラ男だから、先輩は真面目でバランス取ろうと思っていたんですが、担当編集さんと相談していて、それはエンターテインメントじゃないんじゃないか、と。ここは、ごり押しでチャラ夫にはチャラ夫でいかせるべきじゃないか、ということになって(笑)。これから物語が進んでいく中、先輩を猫太くんに負けないくらいチャラくしていきたいですね。

―― 後、芹沢先輩がちょっと天然入っているところがいいなと思いました。ちりめんじゃこが大きくなるとなんになる? と聞かれて、ちりめんじゃ! って答えたりしていて。

種村 (笑)これはわたしが高校のとき、友だちといい合っていたことをそのまま使っているんですよ! カラオケに行ったとき、曲の歌詞にそういう問いかけがあって、『有菜、なんだと思う?』って聞かれて『ちりめんじゃ。じゃない?』って答えていました(笑)。で、大人になってからイワシの子だということを知ったのですが、そういう自分自身のエピソードをささっと混ぜています。全体的に話を重くしたくないと思っているので、みんな少しずつボケ気質を入れました。

―― では主人公の愛ちゃんに関してはどのようなキャラクターにしようと思っていたのですか?

種村 平和な子にしたいなと思っていました。ぽやぽやしていて、イマドキで、かわいい髪飾りとか大好きで、チョコレートさえあれば怒りもすぐに収まるみたいな、お人好しの良い子ですね。わたしがキャラ作りに迷っても、『愛ちゃんはご機嫌な子』っていうところに戻ることができるかなと思います。

 また、いままでの作品はわりとシリアスなものが多かったんです。だから、この『猫と私の金曜日』は、そういった色をあまり出したくなくて、愛ちゃんが真剣に悩んだとしても恋愛の本当にささいなこと、『そんなことで悩むんかい!』と突っ込みが入るようなことだったりして、底から明るいマンガにしたいと思っています。

―― ストーリーを作ったり、ネームを描く上で、いままでと変えたことはありましたか?

種村 あんまり変えてないですね。ただ、いつもより乙女エッセンスを何滴か多めにしていますね。読者さんにキュンキュンしてほしいなと思っているので(笑)。

 実は『猫と私の金曜日』以外にも新連載候補が1つあって、そのネームを描いて担当編集さんのところに持っていったことがあるんです。でも、設定を盛り込みすぎちゃって、普通の高校生同士の恋愛を描きたかったのに、恋愛以外の要素がものすごく多くなってしまっていたんですね。そこで、テーマが恋愛に集中しているこっち(『猫と私の金曜日』)の方が勢いがあっていいよって話になって。だから、今回は本当に直球勝負で恋愛だけしかないマンガで行こう! と思って描いています。

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