Amazon、テキスト読み上げ技術開発企業Inovaを買収

AmazonによるInova買収。同社にはどんな狙いがあるのだろうか。

» 2013年02月04日 15時05分 公開
[Michael Kozlowski,Good e-Reader Blog]
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 テキスト読み上げ技術を開発するInovaを買収したばかりのAmazonだが、同社はこの買収で視覚障がい者への訴求力を高めることになるだろう。AmazonはすでにInovaのソフトウェアをKindle Fire(8.9インチ)で採用している。買収によりライセンス費用の支払いから解放されるため、同社のサービスでこの新技術はますます利用されるだろう。

 Ivonaの特徴は何か。また、Amazonはどのようにその技術を応用しているのだろうか。Ivonaは17カ国語、44方言に対応する。現在、Kindle Fire 8.9では、メニューを読み上げる『ボイスガイド』と書籍のテキスト読み上げ機能に同機能が利用されている。ボイスガイドナビゲーションは視覚に障がいのある人々の生活に大きな違いをもたらすことになる最も刺激的な特長の1つだ。メニュー操作から書籍を開く操作に至るまで、あらゆるアクションを読み上げてくれる。例えば図書館から借りてきた電子書籍をタップすると、システムは『The Hunger Games. Book opened.』のように本のタイトルとそれを開いたことを伝える。その後、ユーザーは従来のテキスト読み上げ機能も利用して読むことができる。

 これはAmazonがしばらく取引していた企業を囲い込むうまいやり方だ。iOSおよびAndroid向けアプリにも将来Ivonaの同様の機能が導入されるかもしれない。さまざまな方言とアクセントでテキスト読み上げ機能を利用できるのは非常に興味深いのではないかろうか。筆者はAmazonがAmazon Primeの会員向けにさまざまな方言をまとめてライブラリとしてバンドルすることで、追加収益を得るのではないかと考えている。

 AmazonがIvonaを買収した最大の理由はNational Federation of Blind(NFB)の要求を満たすためではないかと思う。この組織はAmazonの教育市場参入を阻む大きな障壁となっていた。Amazonが電子書籍リーダーを利用してパイロットプロジェクトを実施するといっても、NFBは電子書籍リーダーが視覚障がい者をいかに除外しているか批判を重ねてきた。数カ月前、NFBはAmazonの本社前で大規模な抗議行動を行い、メディアの注目を集めている。

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