DNP、オリジナルの電子雑誌制作を含むセールスプロモーション支援ソリューションを発表

DNPと子会社のDNPメディアクリエイトは、オリジナルの電子雑誌の創刊を核とするセールスプロモーション支援サービスを発表。

» 2013年01月29日 19時16分 公開
[西尾泰三,ITmedia]

 大日本印刷(DNP)と同社子会社のDNPメディアクリエイト(DMC)は、オリジナルの電子雑誌の創刊を核とするセールスプロモーション支援サービスを発表した。この発表に先立ち、iOS向け電子雑誌アプリ「Brillat(ブリア)」を2012年12月20日に創刊している。

 同サービスは、価値観や嗜好が近い異業種の複数企業の協力(または出稿)を得て、それぞれが持つ商品やサービスを組み合わせたものをiOSアプリとして電子雑誌化、ブランディングや新規顧客獲得・購買促進を図るなどのセールスプロモーションを支援しようとするもの。

 Brillat創刊号を見てみると、アメリカン・エキスプレスのほか、アパレル/化粧品/輸入自動車/百貨店の各業界から5社が参加し、「ライフスタイル」「ファッション」「ビューティー」「クルマ」「ギフト」などに関する内容となっている。同誌の編集長は「LEON」や「NIKITA」を創刊し、現在は「LUXURY TV」を運営・指揮する岸田一郎氏で、全体的にラグジュアリーな印象の電子雑誌に仕上がっている。

 電子書籍と比べ、電子雑誌、あるいは雑誌の電子化は極めて緩やかなペースで進んでいる。レイアウトに意味があり、作り手の意図が(解像度などが異なる)デバイスごとに担保するのが難しいことや、著作権者が多様なことなどが電子化が進まない一因として挙げられる。現状では、PDF、あるいは画像ベースで提供されていることが多い。しかし一方で、雑誌が持つ多様性や、コマースへつなげる力は侮れない。

 今回の発表は、既存雑誌の電子化ではなく、参加企業をうまくコーディネートし、それぞれが持つコンテンツを活用したオリジナルの電子雑誌の制作を、出版社ではなく、DNPが広範にサポートしようとしている点が1つ注目される。概算価格は1タイトル当たり1000万円からで、参加企業の選定・交渉などもオプション扱いではあるがDNP側で行うとある。

 電子雑誌の制作は、DNPが利用包括契約しているアドビシステムズの「Adobe Digital Publishing Suite」(ADPS)を採用、雑誌内コンテンツをFacebookで共有したりできる機能や、Ustreamによる音声や映像、イベントの実況中継などのリアルタイム配信を組み込むような企画にも対応する。DNPは、2015年度までに同サービスで10億円の売り上げを目指すとしている。

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