共同で本を宣伝することによる著者の利益

出版物のマーケティングは、リアルでもオンラインでも新しい取り組みが起こっているが、複数人の著者がチームワークでブックツアーを実施することに注目が集まっている。

» 2013年01月22日 15時56分 公開
[Mercy Pilkington,Good e-Reader Blog]
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 厳しい経済環境のため出版経験のある著者ですら宣伝予算が大きく削減される中、著者は自分の作品の口コミを拡散してくれる読者を求めてより創造的な手段を見出さなければならなくなっている。ここで、共同体意識を利用して本の宣伝を共同で行う手法は、どのような著者にとっても利益になりそうだ。

 バーチャルなブックツアーをオンライン上で行う書籍宣伝サービスが出現している――基本的にこれらのサイトに本の著者などを集め、ゲストとして紹介する――が、すでにある程度ソーシャルメディア上で影響力を持つ書き手は、他者のブログを利用して自分の宣伝ツアーを計画的に実施しかなりの成功を収めている。こうしたツアーでは、各ブログへのゲスト投稿記事、発売予定の自著に関する宣伝情報、無料書籍・サイン入り書籍・本に関連するグッズの配布などが行われる。

 著者たちも一歩踏み出して、実際のブックツアーを計画的に実施し金銭的なリスクを取っているが、Publisher’s Weeklyの記事が示しているように、ビジネスマインドを持つ著者は複数著者のブックツアーを統合し『ロックフェス』スタイルのイベントを幾つかの都市で開催することで費用と労力を著者同士で共有している。5人の著者が、そのうちの一部の著者が以前企画した『Ash to Nash』ツアーの成功に続き、『Bringing YA To You』ツアーを協力して計画的に実施した。Publisher’s Weeklyの記事によると、これを構想した著者は、著者同士が共同することで多くの利益があると述べている。

 「ソロよりグループギグを好むレビス氏は、複数の著者で開催するイベントは著者と読者、双方にとって有益だと話しています。彼女は、『仲間とツアーに登場しお互いに気の利いたことを言えるのは楽しい』とし、さらに、『わたしたちはお互いの作品のファンで、ほかの著者に質問したりされたりするのはすてきなことで、物事について1つ以上の意見を読者に提供できるのは楽しいこと』だといいます。彼女自身はこれまでに10冊の本を書きましたが、アンドレア・クリーマーは初の著書を出版したばかりでした。『互いの経験を共有し、それぞれの書き手に独自性があることを読者に分かってもらうのは良いことです』」。

 最近のYAツアーの場合、主催者側には著者だけでなく、販売者、ブックブロガー、ファンも加わっている。一般人は著者がどの都市に足を伸ばすべきか投票することでツアーを『作る』側に招待される。有名で大人気の著者を辺ぴな場所や都市に連れてくるためには読者の投票が力を発揮する。Bringing YA to To Youツアーのスケジュールへの投票はこちらから。

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