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» 2013年01月16日 13時45分 UPDATE

Amazon AutoRipは無料電子書籍の先駆けか?

Amazonが開始したAutoRipは電子書籍にも広がるのだろうか。わたしたちの考えではイエスだ。

[Michael Kozlowski,Good e-Reader Blog]
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 AmazonはCDを買うと無料のMP3データを提供する新音楽関連サービスを先週発表した。AutoRipによりユーザーはAmazonのCloud Playerを利用して音楽を聞いたり、MP3データとしてトラックをダウンロードすることができる。CDを購入した人に電子データを提供する非常に便利な方法だ。ここで疑問なのは、AutoRipが紙版書籍を買うと電子版を無料で配信するサービスの先駆けとなるかということだ。

 昨年、Amazonはほかの出版社の電子書籍販売から自身が出版社として機能する方向へ動き始めた。ニューヨークに東海岸出版部門、シアトルに西海岸出版部門を創設、東海岸部門の責任者にはブックエージェント界のスター、ラリー・キルシュバウム氏を雇用した。年末にかけて、Amazonは2013年初頭の欧州進出を発表し、キルシュバウム氏は米国全体の業務責任者となっている。

 Amazonは自社で何千冊もの電子書籍を出版しており、ティム・フェリス氏やペニー・マーシャル氏といったビッグネームの出版も手掛けている。より業界に精通した動きとしてはAvalon Pressの買収が挙げられ、それによりAmazonは3000冊分の既刊タイトルを即座に手に入れた。自社で書籍を出版する動きは同社と世界最大手の出版社の一部との争いへと発展し、Amazonと競合との溝を広げた。Barnes & NobleがAmazonが独自に出版した本を書店に在庫しないと明らかにしているのは有名だ。

 過去、われわれは紙版の購入により電子版を無料提供するようAmazonに要求し、この提案は動揺をもって迎えられた。大手6大出版社との取引では単純にクリアしなければならない関門が多過ぎ、それらの出版社はAmazonを自社の書籍販売にとって必要悪とみなしている。さて、Amazonは電子書籍を直接出版し、その取り組みに何百万ドルも投資しているが、Amazonが出版しているコンテンツに対する書籍向けAutoRipを目にすることがあるだろうか?

 音楽向けAutoRipはAmazonから直接本を購入すると顧客に電子書籍を提供する新プログラム展開の先駆けになるとあえて言いたい。Amazonは書籍を出版しており、CreateSpaceを利用するインディー著者によって執筆された書籍を追加ボーナスとして合わせて提供することもできるので、これは抵抗を最小限に抑えられる方法かもしれない。同社は基本的に紙版と電子版の配布権を有しており、競合にとどめを刺す一撃となるかもしれない。

 将来、このプログラムを発展させるインセンティブプログラムはKDP Selectに似た形になると予想できる。Amazonに自分の本の専売権を提供する参加著者は大きな見返りを得るだろう。プログラムに含まれるタイトルはKindle Lending Libraryに追加され、Amazon Primeプログラムに参加する人に提供される。毎月、無料で自分の著書を貸し出す著者に約50万ドルが平等に配分される。もちろん、KoboやBarnes & Nobleといったほかのプラットフォームで自分の本を販売することはできないが、無料貸出は良い稼ぎになる。0.99ドルで本を販売するよりもKDP Selectによる稼ぎの方が実際に多いと話す著者もいるほどだ。

 Amazonが同社のCreateSpaceを利用して紙版書籍を印刷する著者向けに一種のインセンティブプログラムを提供することもあるかもしれない。顧客が紙版書籍を買うと電子書籍を無料で提供させることを選択するであろう著者を筆者は多く知っている。著者は紙版書籍の初期の売り上げだけでなく、電子版でちょっとしたボーナスまで獲得するかもしれない。

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