こんなに違う――iPad miniで主要電子書店のビューワを比較画像編(4/4 ページ)

» 2013年01月15日 08時00分 公開
[鷹野 凌,ITmedia]
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「ブラックジャックによろしく」(漫画 on Web)の場合

 こちらの作品は、漫画家の佐藤秀峰氏による電子書店「漫画 on Web」で無料配信されている。また、BookLive!でも無料配信、eBookJapanでは210円で販売されている。外部のPDFを読み込むことができるKinoppy、Kindle、iBooksおよび、ビューワ専用アプリであるi文庫HDとの比較を行った。特に、端末を横向きにした際の表示に着目してほしい。

(C)佐藤秀峰/有限会社 佐藤漫画製作所 漫画 on Web

表紙

 BookLive!の場合。こちらはBookLive!で配信されている書籍。上部に漫画 on Webの名称とURLが表示されているのと、PDFより若干大きめな構図(上部と左右が切れている)になっている。

BookLive! Reader 全体表示
BookLive! Reader だいたい2倍
BookLive! Reader 最大に拡大

 Kinoppyの場合。こちらは漫画 on Webで配信されているPDF。デフォルトでは常時右寄せの表示になるのは、PDFを読み込んだ場合でも同じ。

Kinoppy 全体表示
Kinoppy だいたい2倍
Kinoppy 最大に拡大

 Kindleの場合。こちらは、漫画 on Webで配信されているPDF。

Kindle 全体表示
Kindle だいたい2倍
Kindle 最大に拡大

 ebiReaderHDの場合。こちらは、eBookJapanで配信されている書籍。漫画 on WebのPDFより若干大きめな構図(上部と左右が切れている)になっている。

ebiReaderHD 全体表示
ebiReaderHD だいたい2倍
ebiReaderHD 最大に拡大

 iBooksの場合。こちらは漫画 on Webで配信されているPDF。上部の通知領域は、常時表示されたままになっている。

iBooks 全体表示
iBooks だいたい2倍
iBooks 最大に拡大

 i文庫HDの場合。こちらは漫画 on Webで配信されているPDF。左上にzoom表示が出ているが、これは自動で消える(敢えて表示されている状態のスクリーンショットを撮っている)。100倍まで拡大ができるが、ここでは4倍までに留めた。

i文庫HD 全体表示
i文庫HD 2倍
i文庫HD 4倍

本文ページ

 BookLive!の場合。

BookLive! Reader 全体表示
BookLive! Reader だいたい2倍
BookLive! Reader 最大に拡大

 Kinoppyの場合。

Kinoppy 全体表示
Kinoppy だいたい2倍
Kinoppy 最大に拡大

 Kindleの場合。

Kindle 全体表示
Kindle だいたい2倍
Kindle 最大に拡大

 ebiReaderHDの場合。

ebiReaderHD 全体表示
ebiReaderHD だいたい2倍
ebiReaderHD 最大に拡大

 iBooksの場合。

iBooks 全体表示
iBooks だいたい2倍
iBooks 最大に拡大

 i文庫HDの場合。

i文庫HD 全体表示
i文庫HD 2倍(zoom表示は自動で消える)
i文庫HD 4倍(zoom表示は自動で消える)

見開きページ

 BookLive!の場合。

BookLive! Reader 全体表示
BookLive! Reader だいたい2倍
BookLive! Reader 最大に拡大

 Kinoppyの場合。設定から、読み込んだPDFの綴じ方向を変更できるが、見開き位置がズレてしまった場合に修正する方法がない。

Kinoppy 見開きの右ページが左側になっている
Kinoppy 見開きの左ページが右側になっている
Kinoppy 設定から綴じ方向の変更は可能

 Kindleの場合。見開きなどは関係なく1ページだけ表示される。また、左綴じで固定になっており、右綴じの本を開く場合はページめくり方向が逆になってしまう。

Kindle 1ページしか表示されない
Kindle 右から左へスワイプしている途中の画面
Kindle 左綴じ固定なので、見開きが逆向きになっている

 ebiReaderHDの場合。

ebiReaderHD 全体表示
ebiReaderHD だいたい2倍
ebiReaderHD 最大に拡大

 iBooksの場合。横向きで表示した場合、見開きなどは関係なく1ページだけ表示される。また、左綴じで固定になっており、右綴じの本を開く場合はページめくり方向が逆になってしまう。

iBooks 1ページしか表示されない
iBooks 横向き時のメニュー

 i文庫HDの場合。右開き/左開きの変更はもちろん、見開き位置がズレている場合は調整もできる。非常に高機能なビューワだ。

i文庫HD 見開きで表示される
i文庫HD 2倍
i文庫HD 右開き/左開きの変更ができる

まとめ

 最初にも述べた通り、コミックの場合は出版社が納品しているデータによって表示品質が大きく左右される。少し古い書籍の場合、印刷用データや元原稿が失われてしまったため、単行本からスキャンした画像が用いられる場合もあるという。

また、ファイルサイズを小さくするため圧縮率を高くする(低画質になる)場合もあるようだ。例えばKindleストアはコミックの場合、画像1枚当たり800Kバイトを上限として設定している。iPad miniの解像度であればさほど気にならないかもしれないが、iPad Retinaをはじめデバイスの高解像度化は今後ますます進む一方だ。リフロー形式(文章)の場合はさほど問題ないが、コミックの場合はデータが低画質だと高解像度のデバイスで見た場合に非常に寂しい状態になる。過去のデータ資産をどうするかは、今後の課題になるだろう。また逆に、「高画質版」というのは読者へ訴求できる差別化戦略とも言える。

著者プロフィール:

 フリーライター。ブログ「見て歩く者」で、小説・漫画・アニメ・ゲームなどの創作物語(特にSF)、ボカロ・東方、政治・法律・経済・国際関係などの時事問題、電子書籍・SNSなどのIT関連、天文・地球物理・ロボットなどの先端科学分野などの分野について執筆。ブクログのパブーで電子書籍『これもうきっとGoogle+ガイドブック』を販売中。

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