レビュー
» 2013年01月10日 09時53分 UPDATE

txtr Beagleのレビュー

1000円以下の電子書籍リーダーとして昨年末から話題となっている「txtr Beagle」。その実機レビューをお届けしよう。

[Michael Kozlowski,Good e-Reader Blog]
Good E-Reader
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 txtr初の電子書籍リーダー、Beagleの情報に全世界が飢えている。ベルリンに拠点を構える同社はこのデバイスの販売をまだ公式にはアナウンスしていないが、GoodeReaderは光栄ながらBeagleの総合的な実機レビューをお伝えする。

 最初に伝えておきたいことは、わたしたちはBeagleの軽量性と1年以上のバッテリーライフに非常に感動した。Beagleがkobo mini、jetBook Miniといった5インチデバイスと比較して何が優れているのか、確認していこう。

ハードウェア

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 txtr Beagleは解像度が800x600ピクセルのE Ink Vipzlexディスプレイを採用する。最近の電子書籍リーダーのほとんどは16段階グレースケールだが、このモデルは8段階グレースケールだ。ただしtxtrは、製品版ではE Ink Pearlディスプレイを利用すると通知している。4Gバイトの内部メモリを搭載し、5冊の電子書籍をいつでもキャッシュできる(実際には5冊以上の電子書籍をロードする方法も判明しており、正確には5冊に限定される訳ではない)。

 Beagleは、単三電池2個でバッテリーライフは1年を誇る。本体重量はバッテリーを搭載した状態で128グラム、搭載しない状態で111グラム。世界最軽量電子書籍リーダーとする向きもあるが、実際に現時点で最軽量なのはWexlerのFlex Oneが110グラムである。

 Beagleは非常に機能が限定されたリーダーだ。Wi-Fi、USB、SDメモリーカードスロットなどは省略されている。『左』『右』『ホーム』の物理ボタンがディスプレイ下に配置されている程度だ。唯一、Bluetoothが搭載されており、スマートフォンやタブレットからBeagleへ電子書籍をコピーするのに利用する。

 txtrはバックカバーが交換可能な製品ラインを追加したことでKoboの優位性を1つ奪った。黒、青緑、グレープフルーツ、紫、ターコイズといった5種類のカバーが用意され、自分のリーダーをカスタマイズできる。カバーは簡単には装着できず、ロックする位置に辛抱強く押し込む必要があった。

 正直なところ、Beagleはかなり素晴らしい。公式には小売市場で入手できず、txtrはより高価なガジェットが購入された際に、Beagleを無料提供してもらうべく携帯電話キャリア、タブレット企業との調整を行なっている。超軽量で、持った感じも素晴らしい。唯一の欠点はバッテリーが収納されている背面に小さな出っ張りがあることだ。

ソフトウェア

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 txtrによるとBeagleは実際にはLinuxやAndroidといったOSは搭載していないという。メニュー、サブメニューも存在しない。メインスクリーンにはスマートフォンやタブレットからロードした書籍が表示される。カバーアートをクリックすると本が開く。それだけだ。

 多くのオンラインメディアはデバイス上に5冊の電子書籍しかキャッシュできないとしているが、より多くの書籍を保存できることが分かった。書籍はすべてメインのホームスクリーン上に表示され、カバーアートを選択するのに『左』、『右』ボタンを利用できる。メインスクーン上で『OK』もしくは『ホーム』ボタンをクリックすると本が自動的に開き、読書を開始できる。

 読書時における欠点の1つは、ページ送りすると毎回画面がリフレッシュされることだ。ソニー、Pocketbook、Kobo、Amazon、Barnes & Nobleのほとんどのリーダーは毎ページから6ページもしくは9ページにリフレッシュレートを変更でき、ディスプレイの明滅を少なくできる。Beagleは1ページごとに明滅するので、しばらくすると耐えがたくなる。

 Beagleを購入すると、主要インタフェースの利用方法と電子書籍のコピー方法について書かれたユーザーガイドが提供される。技術に通じていない人にとって適切な内容で、掲載されているQRコードをスキャンするとGoogle Playにあるtxtrアプリにアクセスすることもできる。

 Beagleはわれわれがレビューしてきた中で最もユーザーフレンドリーな電子書籍リーダーだ。本を読むためにカバーアートをクリックする際に混乱することはない。より技術に通じたユーザーはフォント、フォントサイズ、行間隔の変更、ハイライト、書き込み、辞書、拡大機能の利用ができないことを嘆くだろう。Beagleにはどの機能も搭載されていない。どうしようもないほどにシンプルなのだ。

 txtrによると最終生産モデルにはフォントサイズ変更機能を追加するという。テキスト表示もより明りょうにするとのことで、目により優しくなるはずだ。

txtr Beagleに電子書籍をロードする方法

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 Beagleに書籍をロードする唯一の方法はスマートフォンあるいはタブレットをBluetoothを利用してBeagleと接続することだ。現在、Beagleとデバイスをペアリングする機能はAndroid端末からのみに限定されている。txtrによるとiOSアプリ、PCソフトウェアも今後追加予定だとはしている。

 利用に際しては、まず、Google PlayあるいはGood e-Reader App Storeからtxtrアプリをダウンロードする必要がある。Beagleに接続するにはAndroid 4.0以上が必要だ。古いバージョンのOSの場合、書籍を同期できない。

 Androidにtxtrアプリをロードし、設定メニューをクリックすると、『Beagle』という項目が追加されている。これをクリックするとBeagleとデバイスをペアリングするためのオプションが出現する。その後、Beagle本体裏の電源ボタンを4秒ほど長押しすることでペアリングプロセスが開始され、Androidアプリ側で『接続』をクリックすると、電子書籍リーダーとデバイスが接続される。Beagle側で青いLEDライトが点滅すれば、ペアリング成功だ。接続にパスワードなどを入力する必要はない。

 txtrは欧州でさまざまなブックストアを展開しており、英語の蔵書は多い。書籍を購入し、公式アプリを利用して所有するすべてのデバイスに同期できる。デフォルトで書籍はメインライブラリーの本棚に保存される。カバーアートを長押しすると、幾つかのオプションがポップアップする。利用するのは『Bagleへ電子書籍を転送する』というオプションだ。これにより書籍がリーダーにコピーされ、本が自動的に開く。

まとめ

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 txtr Beagleはこれまでレビューした電子書籍リーダーの中で最もユニークな部類に属する。デバイス上に書籍を保存しており読書したいユーザーを混乱させることはない。タブレット、PC、Mac、スマートフォンを利用してtxtrから直接書籍を購入すればさまざまな電子書籍フォーマットや、高度なソフトウェアの利用に頭を悩ますことから解放される。ユーザーは本を購入し、Bluetoothを利用してBeagleに転送し、読む。余計な機能や仕掛けはなく、非常に簡単だ。

 Beagleを販売することでtxtrは5インチモデルを販売するごく一部の企業群に加わった。Koboは最近、kobo miniを発売したが、小売流通の問題からあまり売れていない。Kobo Miniはまだ全世界で入手することはできないが、ストア、Wi-Fi、Webブラウザ、読書時間、書籍をデバイスにロードする機能などの点では優れている。jetBook Miniは電池を利用する初の電子書籍リーダーの1つで5インチだが、高コストと貧弱なパフォーマンスが原因でまったく売れていない。

 txtr Beagleに関して幾つか好ましいところがある。価格は10ユーロ、16ドルほどが現時点で設定されている。世界で最も安い電子書籍リーダーとして無造作に配布されるデバイスの役割を果たすかもしれない。休暇中にBegleを持ち出して、プール際で読書したり、登山、キャンプに持ち出したり、子どもに持たせることもできる。iPad 4やKindle Fire HDほど大事に扱わなくてもよい。

 次に好ましいのはバッテリーライフだ。Wi-Fi、GPS、データ、USBなど電力をゆっくりと消費する可能性のある機能は何も付属していない。1年あるいは2年は持つバッテリーライフがデバイスを独自のものにしている。軽量、バッテリーライフが長く、非常に安い。

 ただし、価格は今のところはっきりとは決まっていない。txtrによると同社は価格を下げるために携帯電話キャリア、タブレット企業との提携を模索しているという。txtrが自社でデバイスを販売するか、流通業者を選択することにした場合、底値が幾らになるのか、損失を出さずに幾らで販売できるのかは未知数だ。

 txtr Beagleには短所がほとんどない。あるがままだ。デバイスには読書体験を調整したりするオプションがない。本をクリックし、それを読む。機能は最小限だ。視力の良い人ばかりではないので、フォントに関するオプションがあればよいかもしれない。

長所

  • 安い
  • 携帯性
  • 必要最小限の機能
  • 軽量
  • バッテリーライフが1年

短所

  • 携帯電話との同期が面倒になる可能性
  • 多くのユーザーはAndroid 2.3を利用しているが、4.0か5.0が必要(間もなく修正予定)
  • アプリダウンロードを(自社アプリストアではなく)Google Playに依存
評価:8.5/10


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