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» 2013年01月07日 14時48分 UPDATE

読んでいくと“中身がなくなる”本とは?

2012年に話題となった紙の特長を生かした「紙の本」を紹介。

[新刊JP]
新刊JP

 2012年、出版業界を騒がせた事件の1つが「アマゾン・キンドル」の本格的な日本上陸だろう。そして2013年以降、電子書籍が普及するのかに注目が集まるが、「紙の本」もまだまだ負けてはいない。

 「紙」の特長を存分に生かした本が、今、話題を呼んでいるというのだ。

 それは、端から見ると、何の変哲もない本。ところが、読み進めていくうちに、だんだんと“中身がなくなって”しまう。もちろん、知識を吸収したから本の面白さが失われていく……という意味ではない。ページそのものがどんどん減っていくのだ。

 そんな本が発売直後2日で重版となったという。

fhfigsj041.jpg 読んでいくと“中身がなくなる”本が話題に

 それが『人生はワンチャンス! 「仕事」も「遊び」も楽しくなる65の方法』(水野敬也、長沼直樹/著、文響社/刊)だ。

 癒し要素たっぷりの犬の写真と犬たちが教えてくれる「仕事」や「遊び」にまつわる大切なメッセージが添えられた「オモテ面」と、そのメッセージをより深く理解できる偉人のエピソードや名言などが載っている「ウラ面」で構成されるページが65枚130ページ続く本書には、大きな特徴がある。

 実はこの本、すべてのページが切り取れるようになっている。

 本の見開き中央部付近には、ミシン目が入っていて、ページを一枚一枚切り離して、メッセージカードとして使うことができる。自分のお気に入りのページをPCモニターの脇に貼っておけば、仕事が行き詰ったときに、かわいくてちょっと笑える犬の写真を見て気分転換……ということもできるのだ。

 心構えや戒めといったメッセージを忘れないよう、身近に貼っておきたい人は多いだろう。しかし、そのような“意識の高い”姿を人に見られると少し恥ずかしい……。そんな読者に向けてこの本を作ったと出版元の文響社は語る。そして、「誰かにプレゼントできる本という部分も意識して作っています。ページを切り取って、会社の人や友人などに伝えづらいことを、ユーモアを交えながら伝えるという使い方もできますし、実際そのように使っている方もいらっしゃるようです」とコメントする。

 この本の仕掛け人は『夢をかなえるゾウ』(飛鳥新社/刊)で一世を風靡した水野敬也さん。かつての著作でも見せている高い笑いのセンスによって生み出される一言メッセージは、特に好評を呼んでいる。(特別にサンプルを新刊JPにて掲載中。URLは記事の末尾から)

 長い時間をかけて煮詰められ、徹底して作り込こんだという本書について、文響社は「一冊ごとにかかるコストは普通の本より高く、値段もこれ以上下げられないというギリギリのところに設定しました」と語る。

 創意工夫とユーモアによって、「紙の本」としての良さやメリットを十分に出しきっている『人生はワンチャンス!』。自分のお気に入りのページを切り取っていったところ、いつの間にかほとんど「中身」がなくなっていた……ということもあるはずだ。

(新刊JP編集部)

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