インタビュー
» 2013年01月07日 14時30分 UPDATE

破天荒な物語の原点とは? 『不本意だけどハーレムです。ただしネットに限る』伏見ひろゆきさんインタビュー (1/3)

伏見ひろゆきさんの影響を受けたものやキャラクターの作り方、次巻の内容まで伺いました。

[新刊JP]
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 2008年に『十三歳の郵便法師』で第13回角川スニーカー大賞奨励賞を受賞、デビュー作となった『R-15』(スニーカー文庫)は11巻まで刊行され、2011年7月にはアニメ化もされた気鋭のラノベ作家・伏見ひろゆきさん。

 2012年12月1日に発売した『不本意だけどハーレムです。ただしネットに限る』(伏見ひろゆき/著、仁村有志/イラスト、スニーカー文庫)は、伏見さんにとってデビュー2作目の新シリーズ!

fhfigsj038.jpg 『不本意だけどハーレムです。ただしネットに限る』

 かつて、初恋の相手に裏切られ、引きこもっていた主人公の夜空翔(よぞら・かける)は、「人はネットでこそ本性を現わす……だから俺は、ネットで運命の恋人を見つけ出す!」と決意し、学内のピュアな男女が集まるSNS「ピュアランド」を作ってしまう。現実世界では中二病でコミュ障扱いされる翔だが、「ピュアランド」ではモテモテ。しかし、それは翔にとって不本意なことだった。なぜなら、たった一人の運命の恋人を探すために「ピュアランド」を作ったからだ。

 ある日、校内一の美少女である美紅と「ピュアランド」の話題で仲良くなる。さらに、再会した初恋の相手・雪奈や翔を放っておけない“リア充”の渚、いつもつるんでいる歩貴らを巻き込み、リアルとネットを行き来した翔の“運命の恋人探し”が幕を開ける。

 物語の展開も含めて、想像の斜め上を行く恋愛ギャグコメディだ。

 今回は新シリーズスタートということで作者の伏見ひろゆきさんにロングインタビューを敢行。お話をうかがった。

運命の恋人を探すためにSNSを開発!  破天荒な物語の原点とは?

―― 新シリーズ『不本意だけどハーレムです。ただしネットに限る』、第1巻を出版されて読者の皆さんからの反応や手ごたえはいかがですか?

伏見ひろゆきさん(以下伏見) この物語の中で一番癖が強いキャラクターは、何といっても主人公なんですが、『好きなノリの話だった』というお言葉もいただいています。本名登録が必要な某SNSは、もともと出会いや恋愛が前提で開発された部分があるそうですが、その開発者の方も結構独特なお人柄だったようです。そういった、少しズレた部分、普通とは違った部分に情熱を傾けた主人公を楽しみながら読んでいただければうれしいですね

―― 「後がき」にも書かれていましたが、MMORPGの小説が増えている中で、ネットの恋愛をテーマにライトノベルの要素を組み合わせていった小説は少ないように思いました。この物語はどう着想されたのですか?

伏見 まず、そういった物語はあまりないなと思ったことと、後は実際に幾つかSNSを試してみて、親和性が低いわけではないことに気づいたんです。そこから、リアルとネットのギャップという面白さを物語の中心の据えて書き進めるようにしました。なので、ヒロインのアバター探しが物語のメインではなく、ヒロインたちの過去や彼女たちの性格のギャップみたいな部分を一番に楽しんでもらえるように書いていますね。

―― 今、幾つかSNSを実際にやってみたとお話されましたが、差し支えなければ具体的に教えていただけますか?

伏見 まずは「アメーバピグ」でしょ。「mixi」「Facebook」もやりました。後は「Twitter」や「Google+」も。ほかにも名前を失念してしまったのですが、7、8サイトくらいでアカウントを作りました。

―― ほかに取材はされたのですか?

伏見 インターネット関連のゲームの開発者に知り合いがいたので、話を聞いたりもしましたね。基本はSNSに潜伏して、この中にどういう人間関係があって……という調査をしばらくの間していました。

―― 面白い物語を書くために、どういった部分に注意していますか?

伏見 ライトノベルのネタを考える上ではそれが新しいアイデアか、ということと、後は自分の得意、不得意を考えますね。

―― 伏見さんが思う、自分の得意なところはどういうものだと考えていますか?

伏見 ドタバタギャグだと思うのですが、本人は真面目にやっているのだけれど、やり過ぎてしまって、結果それがギャグになっているというような感じだと思います。今回の主人公の翔も思い込みがすごい男で、そのために一直線に走り過ぎてしまい、ヒロインや読者の方から、ツッコミを入れられまくるキャラになっています。

―― 本作の主人公の翔には、自分自身を投影されているのですか?

伏見 今の自分というよりも、学生のころの、よりピュアだったころの自分の気持ちを爆発させる形で投影しているかもしれませんね。

―― 本作の舞台の1つである「ピュアランド」はかなり飛んでいる設定であるように思ったのですが、この「ピュアランド」の設定を考える上で苦心した部分を教えてください。

伏見 いろんなSNSやWebサイトごとにコンセプトがありますが、じゃあ翔がつくる『ピュアランド』ならばどんな特徴があるのか、という部分を突き詰めて考えています。

 翔はとりあえず女の子にモテたいのではなく、人生でただ一人だけの運命の恋人、ソウル・ラヴァーを探しているわけですから、そんな素敵な女の子を探し出すにふさわしいロマンチックな場所、というところから『ピュアランド』の設定を詰めていきました。

―― その部分は、完全に翔になりきって考えた。

伏見 そうですね。『俺は純愛を極めようとしているんだ!』みたいな(笑)。極めるためにはこんなサイトや設定が必要なんだ! と。

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