第6回「JEPA電子出版アワード」大賞は「Kindleストア」に幻となった受賞結果も

日本電子出版協会が第6回目となる「JEPA電子出版アワード」の受賞結果を発表。大賞には「Kindleストア」が選ばれた。ジャンル賞では、ネットで話題を呼んだ「ブラよろ」2次利用フリー宣言も受賞予定だったが、佐藤氏がこれを辞退する一幕も。

» 2012年12月20日 14時59分 公開
[山田祐介,ITmedia]

 日本電子出版協会は、「JEPA電子出版アワード 2012」の受賞結果を発表した。大賞には、アマゾン ジャパンの「Kindleストア」が選出された。

 電子出版の育成・普及を目的に開催する賞で、今年で6回目を迎える。コンテンツの内容ではなく、仕組みや技術を表彰するのが特長。11月27日から一般およびJEPA会員社からのネット投票を受け付け、その結果により各ジャンル賞を選出し、このほど会員社および記者からの投票で大賞1作品が選ばれた。

 大賞のKindleストアはジャンル賞の「ベスト・ショップ賞」も受賞。同ストアは10月に満を持して日本向けサービスが和書5万点、洋書140万点のラインアップでスタートし、大きな話題を集めた。なお、各ジャンルの受賞結果は以下のとおり。

ジャンル賞 授賞対象 概要
ベスト・ショップ賞 Kindleストア(アマゾン ジャパン) 世界的な電子書店の日本向けサービス
ユニーク・ショップ賞 有斐閣YDC1000(有斐閣) 専門書系電子書籍の定額閲覧サービス
オンライン・サービス賞 auスマートパス「大辞林」(三省堂、イースト) auが提供するAndroidアプリ使い放題サービス内のコンテンツ
ベンチャー・マインド賞 Pottermore(Pottermore Ltd.) ハリーポッターシリーズ全作品の各国版をDRMなしで販売
デジタル・インフラ賞 Kinoppy(紀伊國屋書店) マルチデバイス同期環境を整えた電子書籍ビューワ
クリエーティブ・ツール賞 FUSEe(フューズネットワーク) ワープロ感覚でEPUB形式の電子書籍を制作できるソフトウェア
アドバンス・デバイス賞 iPad mini(Apple) 読書にも向く7.9インチのディスプレイを備えたタブレット端末
フロンティア特別賞 楽天Kobo(楽天) 手頃な価格の電子ペーパー端末を提供

 なお、ベンチャー・マインド賞は大人気小説『ハリー・ポッター』の独自ストア「Pottermore」が最終的に受賞したが、投票結果では同賞の投票対象としてエントリーされていた「『ブラックジャックによろしく』フリー宣言」に最も票が集まっていた。佐藤さんは自身のTwitterで、JEPAから受賞の連絡があった旨と、賞を辞退したことをツイートしている。

 佐藤氏の『ブラックジャックによろしく』フリー宣言は、同氏の人気漫画『ブラックジャックによろしく』の2次利用を、商用も含め自由化するという実験的な取り組み。作品の無料アプリ・電子書籍の配信や、パロディ作品企画、さらには紙書籍としての再刊行など、さまざまな企業・個人による2次利用が行われている。

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