青空文庫ビューワアプリ「neo文庫」青空文庫をとことん気持ちよく読みたい方に

日本語組版処理にこだわりつつ高速なページめくりが可能なiOS向け青空文庫ビューワアプリ「neo文庫」がバージョンアップ。

» 2012年12月17日 12時30分 公開
[西尾泰三,ITmedia]

 快技庵は12月14日、iOS向け青空文庫ビューワアプリ「neo文庫」のバージョン1.0.5をリリースした。17日までお試しセール価格として170円で販売される(通常価格は450円)。

 neo文庫は、著作権が消滅するなどした作品を無料公開する「青空文庫」のビューワアプリ。こうした青空文庫ビューワアプリは幾つも存在するが、neo文庫はiCloud対応による「続き読み」対応のほか、縦書きの端正な表示と2本指ドラッグでの高速ページ送りなどが特徴。特に日本語組版は、W3Cの技術文書「日本語組版処理の要件」に基づいて、いわゆる青空文庫形式などと呼ばれるXHTMLをルビ、縦中横、欧文、句読点や括弧類の扱いを含めできるだけよい形で表示させようとしている点に好感が持てる。

 最新バージョンとなる1.0.5では長いルビの表示などが改善されている。以下はKindleアプリ(iOS)を用いて同じファイルがどう解釈され表示されるかを示したものだ。ルビの親文字が複数行に分かれないよう表示すると、ルビの方が2行になるような、そんな組版の難しさを少しずつ改善してきている。挿絵表示とキャプションに関する記述書式が柔軟な青空文庫形式のレンダリングは開発者泣かせだが、それらもできるだけ盛り込み、高速にページ送りができるようにしている。

Kindleアプリとの表示比較(右がneo文庫)

 最近では電子書店でも青空文庫を取り扱うところもあるが、その表示品質にこだわる方は、こうしたビューワアプリの利用を検討してもよいだろう。なお、neo文庫には作家別リストや図書館でおなじみの日本十進分類法で分類されたリストから作品を探すことも楽に行える。

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