これでもう迷わない、電子書店完全ガイド――ニコニコ静画(電子書籍)あなたに合った電子書店を見つけよう(1/5 ページ)

eBook USERがお届けする国内の主要な電子書店の徹底レビュー。そう、これは“書店のレビュー”だ。今回は「ニコニコ静画(電子書籍)」を紹介する。

» 2012年12月17日 08時00分 公開
[鷹野 凌,ITmedia]

 電子書籍というと、どうしても「どの端末がいいかな?」とハードウェアありきで考えがちですが、筆者は「どの端末を選ぶか?」より「どのストアを選ぶか?」の方が重要だと考えています。読みたい電子書籍を探したり、購入したり、読むためのツールを提供したり、保管したりといった、総合的な「サービス」を提供しているのが電子書店だからです。

 この特集では、それぞれのサービスをじっくりと時間を掛けて使い込んだ筆者とeBook USER編集部が、国内の主要な電子書店を徹底解説します。「本当によいストアはどこなのか?」を知るガイドにしてください。この内容は定期的にアップデートし、サービスとしての電子書店の成長をつぶさにお届けします。

 本特集では、以下の5つの要素に基づき電子書店をレビューしていきます。

 各項目について、3点を平均とし、いい所があれば加点、悪い所があれば減点という形で評点を付けます。記事の最後に、これらの評点結果をチャートグラフにしたものを用意していますので、そちらも参考にしてください。

ニコニコ静画(電子書籍)

 第9回目は、「ニコニコ静画(電子書籍)」をレビューします。こちらは2011年11月に「ニコニコ静画」の電子書籍コーナーとしてスタートした電子書店で、ドワンゴが運営しています。ニコニコ動画と同様に、コメントを投稿して閲覧者全員と共有できる機能が特徴的な電子書店です。公式の略称は「ニコニコ書籍」なので、以下そのように呼称します。

当初は提携先のBOOK☆WALKERで購入した書籍の閲覧とコメント付けなどが可能でしたが、2012年10月24日からニコニコ書籍で直接電子書籍が購入できるようになりました。対応デバイスはPC(Web)とiOSです(Androidでも少し手間を掛ければ利用可能、後述)。「ニコニコ動画」のAndroidアプリがつい最近リリースされましたが、ニコニコ書籍はiOSアプリの機能改善を優先しており、Androidアプリのリリース時期は明らかになっていません。

ラインアップは充実しているか?

 現時点でニコニコ書籍はコミック中心のラインアップとなっています。発表時は約3万冊のラインアップが喧伝されました。検索画面から絞り込みジャンル[すべて]を選択することで、総ラインアップ数が表示されますが、2012年12月14日時点では3万6773件が配信中です。

 次に、ジャンル別の数字をチェックしましょう。

ジャンル 点数
少年コミック 9328
青年コミック 11519
少女コミック 4614
女性コミック 4151
その他コミック 13
ライトノベル 2486
文芸 1044
実用・新書 296
その他書籍 3158
コミック雑誌 119
その他雑誌 1
ニコニコ書籍のジャンル別ラインアップ(2012年12月14日時点)

 ニコニコ書籍では一般的な書籍や雑誌の取り扱いはほとんどありません(☆-1.5)が、「コミック数最大級!」とアピールするだけあり、コミックの品ぞろえは多いです。ではそのコミックやライトノベルが、ほかの電子書店と比較してどうなのかをチェックしたのが以下の表です。

電子書店 コミック ライトノベル 備考
honto 61786※ 3814 1話1巻形式の書籍を含む
eBookJapan 60314 48
BookLive! 33790 4414※ ティーンズノベル含む
GALAPAGOS STORE 30612 3691
ニコニコ書籍 29745 2486
Reader Store 28721 4901※ ティーンズノベル含む
紀伊國屋書店BookWebPlus 22206 4314
koboイーブックストア 21387 946
Kindleストア 19232 2637
BOOK☆WALKER 4436 3042
各電子書店のコミック/ライトノベルラインアップとの比較(2012年12月14日時点)

 この表で最もコミック数が多いのはhontoですが、1話1巻形式のいわゆる「ケータイコミック」も多く配信していることを考慮する必要があります。それらを踏まえた上でほかの電子書店と比較してみると、ニコニコ書籍のコミック・ライトノベルは特別多いわけではないことが分かります。

 なお、ニコニコ静画にはニコニコ書籍とは別に、「ニコニコ漫画(公式)」という連載形式で漫画配信を行なっているコーナーもあります。完結作品を含め約30点ほど、これまで全話が無料配信されていましたが、2013年1月7日から一部のマンガ作品が冒頭と最新話を除き有料化されることが発表されています。1話50円〜80円で、きちんと作者にも還元されるようです。

評点:☆1.5

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