2次利用フリーの「ブラよろ」が紙書籍に 作者の佐藤さん「正直、儲かっています」

漫画家の佐藤秀峰さんが、2次利用フリー化を宣言した漫画「ブラックジャックによろしく」に関する近況を報告。双葉社から紙書籍として“復活”したほか、「ついにAV化の企画のお話もいただきました」(佐藤さん)。利用の広がりとともに、佐藤さんのWebサイトでのコンテンツ購入額も飛躍的に増えているという。

» 2012年11月12日 21時30分 公開
[山田祐介,ITmedia]
photo Webサイト「漫画 on Web」内の日記で近況が報告されている

 漫画家の佐藤秀峰さんが、9月15日に2次利用フリー化を宣言した漫画「ブラックジャックによろしく」に関する近況を、同氏が運営するWebサイト「漫画 on Web」で報告している。双葉社から紙の書籍として発売されたほか、「ついにAV化の企画のお話もいただきました」(佐藤さん)と、さまざまな反響があるようだ。

 双葉社から今回発売されたのは、「2冊分で450円」というコンビニ向けの廉価単行本。佐藤さんは作品の2次利用に関して事前報告は不要としているが、「この件ではご丁寧に事前にご相談をいただきました」(佐藤さん)。印税も出版契約書もなく発行にいたり、初版十数万部のヒットとなっているそうだ。このほかにも作品の2次利用は進んでおり、利用の事後報告はこれまでに100件弱あった。中にはアダルトビデオの企画への利用もあるという。

 こうした2次利用によって新規読者が100万人は確実に得られたと佐藤さんは述べている。さらに、漫画 on Webでの佐藤さんの作品販売額が「新ブラックジャックによろしく」を筆頭に「飛躍的に伸びている」そうだ。「今月は200万円を超えるペース」とのことで、これに他サービスなどでの佐藤さんの作品売上などを加算すると、「正直、儲かっています」(佐藤さん)。

 利用規定に沿わずに2次利用されるケースもあったようだが、こうしたものはSNS上での個人利用のケースが多く、「商業的にダメージを与える程のものではないように思われました」と佐藤さんは振り返っている。今回の2次利用フリー化は、作品の認知拡大や他作品の販売への貢献といったプラスの効果が大きいと佐藤さんはみている。

 「まだまだ結果が出たとは言うには早い状況ですが、少なくとも成功する可能性は出てきたということで、半年後にも景気のいいご報告ができるようにがんばります」(佐藤さん)

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