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» 2012年11月08日 16時17分 UPDATE

Amazon、Neonode zForce赤外線技術を捨てる

赤外線方式のタッチスクリーンからの脱却が進む業界において、同技術を売りにしてきたNeonodeは変化の時期を迎えているのかもしれない。

[Michael Kozlowski,Good e-Reader Blog]
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 過去数年に渡って多くのローエンド電子書籍リーダーで利用されてきたNeonodeのzForce技術。同社の推定によるとグレースケールの電子書籍リーダーのタッチスクリーンインタフェース向け市場で80%のシェアを独占しているという。しかし、2013年には複数の大手企業が同社の技術を捨て、静電容量式のマルチタッチ技術を採用しようとしており、この状況は大きく変化するかもしれない。


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 kobo TouchやKindle Touch、NOOK Simple Touchなどを所有したことがあれば、Neonodeの技術はすでに体験済みだろう。ディスプレイ枠側面に小さな赤外線エリアが組み込まれており、タッチスクリーンにより精度の高い操作性を提供している技術だ。

 Neonodeの最大の顧客はAmazonで、直近の四半期だと売上高の50%、2011年は通期で40%を占めていた。それに続きライセンス売上高の26%を占めるのがBarnes & Noble、ソニーが21%、Koboが11%だ。これを総計すると2011年の同社の売上高は580万ドルだった。しかし、NeonodeのCEOは最近の収支報告で、Amazonが同社の顧客ではなくなったことを認めた。これは主にKindle Touchが製造中止されたことに起因する。

 Kobo GloKindle PaperwhiteはzForce技術を捨て、代わりに静電容量式のマルチタッチ技術を採用した。これはそれらの製品がハイエンドである1つの指標で、ユーザーは暗いところで読書できる電子書籍リーダーを満喫するために進んで割増価格を支払っている。Amazon、Barnes & Noble、Koboといった企業は、もはやzForce技術を利用しない多くのタブレットを製造している。

 多くの大手企業がNeonodeの技術を利用しなくなったことで、同社はどうなってしまうのだろうか。Neonodeは引き続きこれらすべての大手企業からライセンス料の支払いを受けているが、これは同社がタッチスクリーン技術の特許を所有しているからだ。Appleは最近、世界中で増え続ける特許に関する対立を防止するためNeonode買収の可能性について調査を行なっている。

 電子書籍リーダーのボトムラインが上がり、各社がより優れたハードウェアとコア機能で勝負するようになった今、例えば発光するディスプレイ症候群は業界全体が共鳴することで特徴づけられ、多くの大手企業はその技術を利用する電子書籍リーダーを製造している。Onyx Boox、Pocketbookといった中小企業もこの競争に参入しようとしている。

 安価な電子書籍リーダーの市場も今のところ堅調ではある。ただ、多くの消費者はiPadやKindle Fireといったタブレットの購入へシフトしつつあるのも事実だ。

 Neonodeの先行きが暗く、破滅が待ち受けているかというと、必ずしもそうではない。同社は名声の高い組織「PhotonicSweden」から『Best Optics and Photonics Company of the Year 2012』を授与された。同社の技術革新、経済的に成功を収めているベンチャー事業、素晴らしい成長と利益率でタッチ技術業界に貢献したことなどが受賞理由だ。

 ただ、Amazonという最大の顧客を失い、既存の技術が大量生産される電子書籍リーダー向けではなくなりつつあることを勘案すると、何かを変える時期だというべきだろう。Neonodeはコアビジネス拡張の末期にあり、携帯電話、タブレット、オフィス機器、車載インフォテイメントディスプレイ、GPS、ゲーム機器、玩具分野への多角化を図っており、2013年以降、これらの製品が世に出てくるだろう。500万ドルあまりの流動資産も保有しており、さまざまな新規ベンチャー事業に資金供給するキャッシュも手にしている。

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