これでもう迷わない、電子書店完全ガイド――Kindleストアあなたに合った電子書店を見つけよう(4/5 ページ)

» 2012年10月26日 23時55分 公開
[鷹野 凌,ITmedia]

いつでもどこでも簡単に読めるか?

 Kindleストアで販売している電子書籍は、Android端末、iOS端末と、今後発売されるKindle端末で読むことができます。PCからの購読には未対応です。

 Kindleストアで購入した電子書籍を読むには、端末の登録が必要(アプリからログインすれば自動登録されます)で、購入した書籍を端末へダウンロードする必要があります。購入した書籍は、購入時に指定した端末へ自動的にダウンロードされます。ダウンロードが完了していれば、ネットワークの接続がなくても読むことができます。自動的にダウンロードされない場合や、購入時に指定した端末以外で読みたい場合は、アプリのメニューから[同期]すればOKです。

左図/購入した書籍がホーム画面に現れない場合は、[クラウド]をタップします。中央図/クラウドにも無い場合は、メニューを開いて[同期]をタップします。右図/これでダウンロードされます

 なお、サポートへ問い合わせてみたところ、1つのアカウントに登録できる端末の台数には制限がありませんが、1つの書籍を同時にダウンロード可能なのは最大で6台まで(☆+0.5)とのことです。6台にダウンロード済みで、さらに別の端末へダウンロードしようと思ったら、ダウンロード済みのいずれかの端末からコンテンツを削除するか、端末登録を解除する必要があります。端末登録は、アプリのメニューか、アカウントサービスの[ダウンロード]→[My Kindle]→[端末の管理]から解除できます。恐らく実際に利用している中で、困った事態に陥ることはないと思われます。

Androidアプリで読む(スマートフォン編)

 ここからはまず、Androidアプリ(スマートフォン)のビューワについてチェックしていきます。

左図/Androidアプリから購入して読むというプロセスです。[1-Clickで今すぐ購入]をタップします。中央図/即購入され、ダウンロードが開始します。[今すぐそれを読む]をタップします。右図/初めてビューワが起動した時には、読書のヒントが表示されます
左図/ビューワ画面。中央図/右上をタップするとブックマークです。右図/メニューを開いた画面。ブックマークが無い場所だと[ブックマーク]のアイコンは[+]に、ブックマーク済みの場所だと[−]になります
左図/[オプション]の中身。文字の大きさ、行間、余白、配色・明るさ調整ができます。なお、文字の大きさはピンチイン・ピンチアウトでも変更できます。中央図/[移動]の中身。表紙や目次、指定位置などへ移動できます。右図/[メモとブックマーク]の中身。自分でブックマークやメモをした内容の確認や移動ができます
左図/メニューからブックマークした画面。中央図/[その他]メニューの中身。右図/[進捗をシェアする]をタップすると、Androidのインテント機能でシェアするアプリを選べます
左図/[進捗をシェアする]からTwitterを選択した画面。中央図/読んでいる位置によって、自動生成されるメッセージの内容が変わります。これは親切。右図/Facebookへのシェアは、うまく連携できていないようです
左図/タップ&ホールドで範囲選択モードです。タップしている周辺はこのように拡大されます。中央図/手を放すと、メニューが表示されます。初めて範囲選択を行った時はこのように辞書のダウンロード画面が出ます。右図/ダウンロードが完了すると、言葉の意味が表示されます
左図/単語ではなく“文章”を範囲指定すると辞書機能はうまく機能しません。中央図/範囲選択後に[メモ]をタップした状態。ハイライトとともに自分のメモを記録しておくことができます。右図/メモを残した部分はこのような表示になります
左図/メモしてある部分をタップすると、内容の確認と編集・削除ができます。中央図/辞書機能が働くと、このような表示になります。なお、選択範囲は単語単位でうまく自動選択されるようになっているようです。右図/[ハイライト]した状態。なお、グレーになっている[その他]メニューは、青空文庫などの他の書籍でも確認してみましたが、何の機能なのか分かりませんでした
左図/画面を横にすると、横向きレイアウトになります。右図/横向きレイアウト時のメニュー

Androidアプリで読む(タブレット編)

 続いて、Androidタブレットの場合です。

左図/ホーム画面。中央図/他の端末で購入済みのアイテムは、クラウドに入っています。右図/書影に雲のアイコンがついている書籍はクラウド上にあるという印です。タップすると端末へのダウンロードが始まります
左図/画面タップしてメニューを開いた状態。他の端末で付けたしおりやメモ・ハイライトは自動的に同期されます。中央図/フォントサイズや行間などのメニューだけ独立しています。右図/その他はメニューの中です。機能的にはスマートフォンと変わりません
左図/画面を横にすると、横向きレイアウトになります。右図/横向きレイアウト時のメニューから、フォントサイズ最小・余白サイズ最小・行間最小に設定してみました。横長画面なのに上下の余白が大きいのは少し違和感を覚えるかもしれません

 Androidアプリで気になったのは、全文検索機能がないこと、選択範囲をウェブ検索する機能が無いこと、選択範囲を引用したSNS投稿機能がないことです。特に後者はiOSアプリでは利用できる機能なので、気になる部分ではあります。

iOSアプリで読む(iPhone、iPod touch編)

 続いて、iOSアプリで読む場合です。以下はiOS6にバージョンアップしたiPod touchを用いています。

左図/ホーム画面。中央図/他の端末で購入済みのアイテムは、[クラウド]に入っています。右図/タップするとダウンロードを開始します
左図/書籍を開いた画面。中央図/真ん中辺りをタップするとメニューが開きます。右図/左下のアイコンは、“同期”です。基本的には自動同期されるので、使うことはあまりないでしょう
左図/下部左から2番目のアイコンは画面調整です。Androidアプリと異なり、余白調整と行間調整ができません。[パブリッシャのフォント]はグレーアウトされており、現段階では使用できません。中央図/下部中央アイコンは移動です。右図/メモ・ブックマークがある場合は、[移動]画面の下に表示されます
左図/ブックマークはメニューの右上。中央図/メニューを開いていない状態で左上タップでもブックマークできます。右図/移動を行うと、右下の右向き三角アイコンが有効になります。移動前に戻る機能です。右から2番目の虫眼鏡アイコンは、恐らく全文検索機能ですが、複数の書籍で無効になっていました
左図/タップ&ホールドで範囲選択モードに。Androidアプリ同様、辞書機能を利用するには辞書をダウンロードする必要があります。中央図/iOSの場合、TwitterとFacebookへの引用共有機能が使えます。右図/長い文章でも引用できます
左図/長い文章を引用した場合、投稿に表示されるのはリンクと#kindleのハッシュタグだけになります。右図/Amazon上に引用した文章が投稿される形です。自分で入力した文章は、[メモ]と同じ扱いになります
左図/画面を横にすると、横向きレイアウトになります。右図/横向きレイアウト時のメニュー

iOSアプリで読む(iPad編)

 最後に、iPadで読む場合です。

左図/ホーム画面。メニューの配置が若干違います。[クラウド]に本があるはずなのに表示されていません。画面を上から下にスワイプして離すと同期します。中央図/他の端末から購入済みのアイテムは、[クラウド]に入っています。右図/タップしてダウンロードが完了すると、[新規]の帯が付きます
左図/書籍を開いた画面。中央図/真ん中辺りをタップするとメニューが開きます。右図/iPadの画面メニューには、余白調整はありますが、行間調整はありません
左図/画面を横にすると、横向きレイアウトになります。右図/横向きレイアウト時のメニューから、フォントサイズ最小・余白サイズ最小に設定してみました。Reatinaディスプレイの威力か、これだけ小さくても実機ではちゃんと読めます

 iOSアプリで気になったのは、全文検索が機能していないこと、選択範囲をウェブ検索する機能がないこと、行間調整ができないこと、ピンチイン・ピンチアウトで文字サイズが変更できないことです。iOSにはSNSへの引用投稿機能がありますが、つい先日ソニーReaderが同様の機能を無効化していますので、今後どうなるか分からないという不安が残ります。

 Androidアプリ、iOSアプリに共通して気になる点は、本棚機能がないところです。もちろん購入した書籍をキーワードで検索したり、タイトル・著者名で並べ替えることはできますが、例えば同じシリーズだけを別フォルダに分けて1巻から順に綺麗に並べるようなカスタマイズ整理ができないのは、本棚に並ぶコレクションを眺めるのが好きな方には少し残念に感じられるかもしれません。

左図/[新しい商品][タイトル][著者]での並び替えはできますが、フォルダ作成などの機能は見つかりませんでした。中央図/BOOK☆WALKERの本棚機能。本棚の名前や並び順は任意で変更できます。背景画像の配信も行なっています。右図/Readerの本棚機能。[コレクション]という形でフォルダ分けをしたり、シリーズ・著者・ジャンルなどで「まとめる」機能が付いています

 ただ、総じて言えば、基本的には必要十分な機能を兼ね備え、「いつでもどこでも」という読書環境を提供できているサービスだと言えるでしょう。

評点:☆3.5

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