漫画の書評をブログで日々発信しているブロガー・漣さんが、2012年に発売された漫画の中から特にオススメしたい新作品をピックアップ。熱血少年漫画から個性派短編集まで――あなたは何冊、知っていますか?
10月に入り、2012年も終わりが近づいてきました。今年もたくさんの漫画が世に出ましたね。人気作の続刊に心踊らせた人も多いと思いますが、一方で気になるのは“どんな新しい漫画が生まれたか”でしょう。みなさん、今年も面白い作品がいろいろ出ましたよ! 読書の秋ということで、気になる漫画は今のうちに読んでみてはどうでしょうか。
今回は2012年に1巻が発売された漫画の中から、特にオススメの5作をピックアップしてみました。あなたに合った作品を探してみてください!
胸を張って「好きだ」と言えるものを探す高校生、富士田多々良(ふじたたたら)。特別なとりえは何もない彼が出会ったのは、社交ダンスでした。上品に男女が手を取り合って……そんな社交ダンスのイメージは、物語の序盤で見事に打ち砕かれます。
本気になれるたった1つのものを見つけた多々良。才能を開化させていく彼の姿は当然カッコいいですし、周囲を彩るヒロインやライバル、師匠にも華があります。
なによりダンスシーンが素晴らしい! 読んでいるこちらまで吹き飛ばされてしまいそうなド迫力! 少年漫画の王道的面白さに、社交ダンスという題材の新鮮さ、知らなかった世界が見えてくる感動が組み合わさっているのです。
いま勢いのあるアツい少年漫画と言えば、この作品を挙げるべきでしょう。現在は2巻まで発売中。3巻は11月に発売予定です。
「ボールルームへようこそ」のダンスシーンは、まるで激流! とことん魅せられます。目をギラギラと光らせて! 獰猛(どうもう)な笑みを浮かべて! 心の底から吹き上がる情熱を、全身から解き放って! ああ、もう、見惚れてしまいます!
そしてこの作品、熱狂するのはダンサーだけではないんです。選手とともにダンスシーンを彩るのは、どんどんと気持ちが高ぶり、熱に浮かされていく観客たちの姿! そこに読者である自分が重なります。ダンスシーンを見て自分が感じる興奮と、観客の興奮がリンクする。自分も観客の1人になれる。最後には一緒になってスタンディングオベーション! そんなむちゃくちゃなテンションで楽しめてしまうことでしょう。
この漫画に込められた「熱狂」は、人を引きずりこむ力強さがあるのです。
今年の新作少女漫画では最注目レベルの1作。ひと目見て、この漫画は普通じゃないと分かります。表紙でセンターを飾っているこのゴリラみたいな人。そう、コイツが主人公なのです! 少女漫画のヒーローとは爽やかイケメンである、なんてイメージをぶっちぎっていくこの作品。すでに評判となっており、日販“この1巻がキテる!フェア”の第1弾にも選ばれています。
「俺物語!!」1、2巻が書店の少女漫画コーナーで平積みされていると、もう浮きまくり。そこだけ異様なオーラを放っています。でも、ファンとしてはニヤッとする光景でしょう(笑)
イロモノというだけで注目を集めているわけではありません。確かに胸をアツくさせる面白さがあり、間違いなくオススメできる作品です! 10月時点では、2巻まで発売しています。
シンプル・イズ・ベスト。オトコギです。主人公の猛男はみてのとおりゴツい少年(一応高校生)。しかしこんな、いかにもモテなさそうな猛男に、とってもかわいい彼女ができる……。そこになんの不可解さもなく、「ああこれはモテるわ!」と納得できる作品なのです。
猛男は男がホレるタイプの主人公。人のために堂々と立ち上がることができる。守りたいものを守れる力を持っている。そう、コイツはカッコいい……だからこそ、猛男が女性からも評価されていくのは嬉しくなります。猛男にベタ惚れのヒロイン・大和ちゃんもすごくキュート。
主人公がこんな少年なので、少女漫画ではちょっと珍しいパワフルな読み応えがあります。一方で、キチンと胸をキュンとさせてくれる甘いシーンもたっぷり。その面白さは折り紙つきです。あなたもきっと、猛男の「男気」に惚れる!
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