Amazonの利用者、電子書籍関連訴訟の和解により払い戻しを受ける

電子書籍のエージェンシーモデル販売について独禁法違反の疑いが掛けられていたAppleや大手出版社。和解条件の一部として、この動きに直接関与していないAmazonの利用者も該当書籍の払戻金を受けられる。

» 2012年10月16日 13時11分 公開
[Mercy Pilkington,Good e-Reader Blog]
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 電子書籍の価格操作の疑いで大手6大出版社の何社かに対して幾つかの州の司法長官が起こした訴訟の和解条件の一部として、Amazonの利用者は幾つかの歓迎すべき知らせ――条件に該当する書籍購入に対して払戻金を受けられる――を受け取った。

 Hachette Book Group、HarperCollins、Simon & Schusterの3社は結果的に起きてしまった訴訟に関して法廷での和解を選択し、和解金はこれらの出版社から刊行された電子書籍タイトルを購入した利用者への返金に充当される。

 Amazonの利用者は特に何かを行う必要はなく、2010年4月から2012年5月までに購入した該当タイトルごとに30セントから1ドル32セントが払い戻されることに気付くだろう。Amazonからのメールに記載されたガイドラインに従うことで、払戻金を小切手で受け取ることを選択する利用者も存在するのではないだろうか。

 Macmillan、Penguinとともに和解に応じた出版社はAppleと共謀し、エージェンシーモデルによって管理されているとする電子書籍価格を不自然に吊り上げたとして告訴された。反トラスト法に関する共謀の疑いをかけられていたタイミングで、Amazonは自社が常々電子書籍に対して適用していたホールセールモデルで営業を行なっていた。このモデルによりAmazonは大手出版社の電子書籍をそれまで提供してきた価格よりも安く販売し、そのころ新たにリリースしたKindleの販売に大きく寄与した。

 出版社とAmazonが結果的に電子書籍の価格を吊り上げることになる要件に基づく共謀の疑いにより、消費者は2億5千万ドルの損失を被ったとされている。Amazonの利用者への払戻しは利用者の損失を幾分でも埋め合わせることを意図するものだ。

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