これでもう迷わない、電子書店完全ガイド――GALAPAGOS STOREあなたに合った電子書店を見つけよう(5/5 ページ)

» 2012年10月12日 08時00分 公開
[鷹野 凌,ITmedia]
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購入した本はどうやって保管されるか?

 端末へダウンロードした電子書籍にはDRMが掛かっていますので、バックアップコピーや移動はできません。ただ、購入した作品に有効期限などは無いので、クラウド上にあるネット書庫から何度でもダウンロードできます(☆+0.5)。端末の故障によるファイル紛失などを心配しなくてもいいというのは、素晴らしいことだと思います。ただし、コンテンツを提供している出版社の意向により、ネット書庫から再ダウンロードできなくなる場合はあるようです。また、一部の雑誌、新聞、入会特典には、閲覧期限が設定されています。

 実は、シャープはかつて「Sharp SpaceTownブックス」という電子書店を運営していました。当時のシャープは、DRMフリーのXMDFファイルで電子書籍を配信していました。Sharp SpaceTownブックスは2011年9月末で終了しましたが、当時購入したユーザーはバックアップさえ取っていれば、シャープが無料配布している「ブンコビューワ」というアプリを使うことで、PCで閲覧することはいまだに可能です。また、ソニーReaderや紀伊國屋書店Kinoppyも、DRMフリーのXMDFファイルに対応しています。ところがなぜか、GALAPAGOSアプリはDRMフリーのXMDFファイルに非対応です。もしかしたらいずれ、DRMフリーのXMDFファイルを見る方法がなくなってしまうかもしれません。

 DRMがかかっていると、楽天Rabooのようにサービス終了とともに閲覧不能になってしまう危険性があります。DRMフリーでも、閲覧するためのビューワが無くなってしまえば、やはり閲覧不能になってしまいます。電子書店を利用する際には、そういったリスクはどうしても避けて通れないものだと思うしかないようです。ただそれは、音楽・画像・映像といった他のデジタルコンテンツにも同じことが言えます。

評点:☆3.5

総括

 ストアで書籍が探しづらいのが弱点ですが、それを除けば利便性の高い電子書店です。TSUTAYAとの合弁で事業を始めた当初はシャープ製の端末しか対応しておらず、「まさにガラパゴスだ」と批判されていたことを思えば、今は見違えるような姿になっています。AndroidにもiOSにも対応し、ラインアップもかなり増え、クラウド本棚に対応し……と、ユーザーにとって使い勝手のいい形に進化し続けています。厳しい経営環境を乗り越え、このまま進化し続けて頂きたいものです。

GALAPAGOS STOREのストア評価(eBook USERの判断に基づくものです)

著者プロフィール:

 フリーライター。ブログ「見て歩く者」で、小説・漫画・アニメ・ゲームなどの創作物語(特にSF)、ボカロ・東方、政治・法律・経済・国際関係などの時事問題、電子書籍・SNSなどのIT関連、天文・地球物理・ロボットなどの先端科学分野などの分野について執筆。ブクログのパブーで電子書籍『これもうきっとGoogle+ガイドブック』を販売中。

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