では次に、「読みたい本を簡単に探せるか?」をチェックしましょう。楽天koboイーブックストアで本を探すには、Webサイト、PCへインストールする「Kobo Desktop」アプリケーション、kobo Touch 端末の、3通りがあります。順にチェックしていきます。まずはWebサイトから。
読みたい本の書名が分かっている場合は、サイトの右上にある検索欄からキーワードを入力すればOKです。Googleでおなじみのサジェスト機能に対応しているので、書名・著者名・レーベル名などの一部を入力すれば、検索候補一覧が表示されるようになっています。これは便利です(☆+0.5)。
読みたい作品が決まっておらず、「何か面白い本はないかな?」と探す場合は、左カラムのジャンル一覧から絞り込んでいくか、トップページの特集・ランキング・オススメなどのピックアップから調べていく形になります。特集にはさまざまな切り口が用意されていて、興味を引くような工夫を凝らしています。
前項(ラインアップは充実しているか?)でも触れましたが、トップページから普通にジャンル絞り込みをすると、全言語のラインアップが検索対象となり、その状態から日本語書籍だけを絞り込むことができません。これは「日本語書籍」という分類に限った話ではなく、例えば作家・出版社・レーベル別などのインデックスがないため、さまざまな条件から検索結果を絞り込んでいくという探し方ができません(☆-0.5)。[無料で読める本]というリンクはありますが、「無料のコミック」や「無料の小説」といった絞り込み方はできないのです。
また、これも前項で触れましたが、ジャンル分類に一貫性がない部分が多々あります(☆-0.5)。例えば楽譜の一部だけが[音楽]ジャンルになっていたり、[小説]のサブジャンルに[グラフィックノベル]が登録されていたりといった具合です。
日本のコミックが欧米で販売されるときには、[グラフィックノベル]としてジャンル分類されるそうで、楽天koboイーブックストアでも[コミック・グラフィックノベル]となっているのはまだ理解できますが、[小説]のサブジャンルに[グラフィックノベル]がある理由がよく分かりません。実際に[小説]-[グラフィックノベル]に登録されている書籍を確認すると、中身はコミックだったりします。ライトノベルのコミカライズや、コミックのノベライズなど、同じタイトルで漫画・小説の両方が存在する場合に混乱してしまうかもしれません。
検索結果一覧から作品をクリックすると、詳細画面が表示されます。書影に[プレビューを取得]と表示されている書籍はライブラリに登録してkobo Touchから試し読みができます。現状では、楽天Koboイーブックストアで立ち読みをするには、kobo Touchなしには行えません(☆-0.5)。また、立ち読みに対応していない書籍も多いです。[小説・文学]ジャンルの人気順上位で半分程度、[コミック・グラフィックノベル]では数点しかないという状態でした。
[こちらもおすすめ]という部分には関連書籍が表示されますが、シリーズ一覧という形で見ることができませんし、カート機能がないのでまとめ買いにも対応していません。これは不親切(☆-0.5)というか、もったいない。
また、これは非常に楽天らしくないと思うのですが、各書籍にはユーザーレビューがありません(☆-0.5)。ログインしていれば[この本を評価する]リンクから点数を付けることはできますが、なぜその点数なのかという根拠が文章として存在しないため、その点数をアテにしていいのかどうか判断し難い状態になっています。Facebookや楽天が出資しているPinterestへコメントを付けて投稿することは可能ですが、どちらのSNSもリンクを貼った投稿一覧という形での検索ができないため、ほかの人の意見を見た上で判断することが困難です。
「楽天らしくない」と言えば、グループでさまざまな事業展開を行なっているのを生かせていないのも残念なところです。例えば「楽天ブックス」という紙書籍やCD・DVDなどの通信販売を手がけているサービスがありますが、楽天koboイーブックストアとは連携していないので、紙と電子を比較検討することができません。
また、これは評価の分かれる部分ですが、作品詳細画面を開いた履歴が、すべての画面右下にスクロール追従する小窓として表示されます。左上の三角アイコンで折り畳んだり、ゴミ箱アイコンで消すことができますが、作品詳細画面を開くたびに復活します。これは、[マイアカウント]の[検索履歴]を[アイテムを記録しない I ビュー]に変更すると出てこなくなります。
続いて、Kobo Desktopから本を探すケースをチェックします。Webサイトにはない機能として、[あなたの本に関連した本]というリコメンドと、[気になる本]といういわゆるキープリストがあります。
次に、kobo Touchから楽天koboイーブックストアを利用する場合をチェックします。なお、kobo Touchについてはレビュー記事「楽天の電子書籍リーダー『kobo Touch』を使ってみた」も参考にしてください。
率直に言って、非常に本が探しづらい電子書店です。「楽天市場」という多くの利用者を持つオンラインショッピングモールを運営している企業が、どうしてここまで探しづらく使いづらく気の利いていないサイトにしてしまえるのか、天を仰いで嘆きたくなります。
評点:☆1.0
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