電子書籍に“お宝データ”や直筆サインといったプレミアムをつけ、少数のファンから「少しお高いお布施」をもらう――そんなJコミの新サービス「JコミFANディング」のテストが実施され、上々の結果となったようだ。
漫画などの絶版本を無料公開しているWebサイト「Jコミ」が9月14日、新サービス「JコミFANディング」のβテストを実施した。単行本未収録作品や下書きといった“お宝データ”を含んだ電子書籍セット(PDF)を用意し、直筆サインはがきのプレゼントといったプレミアムも加えて販売。売り上げを作者に還元するサービスだ。絶版作品を基本無料で公開している同サイトだが、新サービスでは所有感や限定感を演出したコンテンツを用意することで、少数のファンから「少しお高いお布施」を集めるビジネスモデルを目指したという(詳細記事)。
βテストの第1弾では、Jコミ運営者でもある赤松健さんの「『ラブひな』パーフェクトPDFセット」と、がぁさんの「がぁさん作品×8本PDFセット」を用意し、どちらも好評を得たようだ。「ラブひな」セットに関しては、2000円限定50個の“直筆サインはがき付きバージョン”が1分48秒で完売。さらに1000円限定50個の“はがきなしバージョン”が7分14秒で売り切れた。がぁさん作品セットも同じ金額・個数で2バージョンを販売し、“はがき付き”が3分で、“はがきなし”が21分で売り切れたという。
クラウドファンディングを参考に企画したという今回のサービス――それぞれのPDFセットで「10万円」という目標達成金額を設定していたが、結果としては“はがきなし”バージョンの売り上げも含め15万円があっという間に集まり、作者の手に渡ることとなった。テストとして上々の結果といえるのではないだろうか。
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