端末へダウンロードした電子書籍にはDRMが掛かっていますので、バックアップコピーや移動ができません。もちろん外部のオンラインストレージサービスも使えません。Android端末の場合、ファイルの保存先がSDカードになっていれば、機種変更時にはカードを差し替えれば移植できますが、一部の作品には本体メモリにしか保存できない制限がかかっている(ストアで『バックアップ不可』と表示されています)ので注意しましょう。
そして何より厳しいのが、購入後のダウンロードに1年間の期限が設けられている点です(☆-1)。1年以内であれば登録した端末へは何度でも再ダウンロードできますが、期限を超えてから端末にダウンロードしたファイルを失うと、再購入するしかありません。最大3台までダウンロードできるとはいえ、電子機器はいつ壊れるか分かりません。それゆえ、大切なファイルは常にバックアップをとっておくことが習慣になっている人も多いのではないでしょうか。しかし、DRMがかかっているため、コピーも移動もできないのです。
例えば、普段使っているiPhoneにのみダウンロードして利用していたとします。数年使っていて故障してしまったとしたら、1年以上前に購入した電子書籍は、残念ながらすべてパアになります。壊れた時のためにバックアップしておくこともできません。これは辛い。hontoを利用する際は、このダウンロード期限と、端末の寿命の戦いになるということを念頭に置いておきましょう。
評点:☆2.0
ハイブリッド型書店でマルチデバイス対応、登録書籍数も多く、目的の本が決まっていれば探すのは簡単で、まとめ買いやお知らせ機能にも対応していて、ビューワも高性能です。使い勝手のいいストアだけに、ダウンロードに1年間という期限が設けられているのはとても残念です。「端末が壊れるまでの間、書籍をレンタルする」とか、「購入した書籍を繰り返し読むわけではなく、読み捨て感覚」であれば、お勧め利用するのに問題はないでしょう。ただ、ダウンロード期限のない他のストアが存在する以上、期限アリのストアを利用することは何か損をした気分になるのは筆者だけでしょうか。
9月21日、本稿で指摘したダウンロード期間(365日)の制限がなくなりました。
ダウンロード期間制限の変更に伴い、2012年9月21日以前に購入し、既にダウンロードができなくなっていた商品も、再度ダウンロードが可能になっています。該当商品は「ダウンロードリスト」からダウンロードできます。
ダウンロード期間(365日)の制限は、非常に大きな減点ポイントでした。その制限がなくなり(☆+1.0)、今後購入する書籍だけではなく、過去購入し期限切れになっていた書籍も再ダウンロード可能になったのは、とても嬉しいことです(☆+0.5)。レーダーチャートも修正しました。
フリーライター。ブログ「見て歩く者」で、小説・漫画・アニメ・ゲームなどの創作物語(特にSF)、ボカロ・東方、政治・法律・経済・国際関係などの時事問題、電子書籍・SNSなどのIT関連、天文・地球物理・ロボットなどの先端科学分野などの分野について執筆。ブクログのパブーで電子書籍『これもうきっとGoogle+ガイドブック』を販売中。
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