萌えとは一線を画す猫属性を堪能――4コマ漫画「となりのネネコさん」胡瓜の「このWeb漫画読もうぜ!」第13回

萌え文化にとって猫は欠かせない要素の1つだが、4コマ漫画「となりのネネコさん」に登場する猫属性キャラ“ネネコさん”は、萌えとは一線を画す猫っぷりを披露している。

» 2012年07月19日 11時04分 公開
[山田胡瓜,ITmedia]
※本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
photo a+rさんのWebサイト「ヘッポコロジー」内にある「となりのネネコさん」

 ネットでは何かと猫が人気だ。さらにいうとネコミミが人気だ。キャラクターの頭にネコミミを生やせば、もうそれだけでカワイイ。猫はネットユーザーに幸せと一体感を与える超鉄板ネタといえる。

 a+r(宮原るり)さんの4コマWeb漫画「となりのネネコさん」も、猫属性のキャラクターが大活躍する。さらに、物語の舞台は中学校。「なるほど萌え要素たっぷりの日常マンガか」と早合点しそうになるが、これが全然違うのである。確かにネネコさんは身体的に猫属性なのだが、「採用部分がちがーう!!!」(作品セリフより)のだ。

 カワイさの権化たるネコミミキャラとは一線を画す佐藤ネネコことネネコさん。転校してきたかと思えばすました顔で生徒を下僕呼ばわりするなど、中身もなかなかパンクな感じで面白い。さらに怪しげな術(というか呪い)を操れたりもして、萌えというより“化け”な雰囲気が漂っている。そんなネネコさんと、彼女に目を付けられたお人好しのクラスメイト・山田花を物語の中心に据え、個性豊かなキャラクター達のぎやかな学園生活が描かれている。

 テンポのいいギャグでクスっと笑えるエピソードがたくさんある一方で、ネネコさんと山田が徐々に心を通わせていく様子がほほえましく、暖かい気持ちになる。また、それぞれのストーリーの終盤には4コマ形式ではないドラマ篇が用意されているのだが、これが切ない雰囲気でグッとくるのだ。学校というコミニティでしばしば起こる人間関係のトラブルなども描かれており、単なるギャグ漫画に終わらない読み応えがある。特に、新たな“動物属性”キャラ、犬飼麻智の登場エピソードは必見だ。

 同作品はフルカラーの書籍版も3巻まで出ているので、そちらもチェックしてみるといいだろう。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.